2022 Fiscal Year Research-status Report
網羅的micro-RNA解析による川崎病遠隔期冠動脈病変リモデリング機序の解明
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20K08190
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80196865)
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 大学院研究生 (10246522) [Withdrawn]
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70433365)
鈴木 崇之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40816691)
土橋 智弥 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20828488)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 川崎病 / 冠動脈瘤 / 光干渉断層法 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病の後遺症としての冠動脈病変は遠隔期に狭窄性病変へと進行することがあるが、有効な予防策も内科的治療法も確立されていない。冠動脈病変を有する遠隔期症例では、光干渉断層法(OCT)を用いた検討で、冠動脈壁に中膜断裂、内膜肥厚、石灰化が存在し、血管栄養血管であるVasa Vasorumが増加している。本研究ではこれらの冠動脈病変の変化がなぜ生じるのかを解明するために、末梢血を用いて網羅的micro-RNA(miR)測定を行い、冠動脈病変症例で発現が増減しているmiRを同定し、これらのmiRの作用部位と、形態的評価としてのOCT所見を比較して内膜肥厚や石灰化などの病変進行の機序の解明を目指す。外来経過観察中の冠動脈病変を有する症例で経過観察の冠動脈造影検査(CAG)が必要な症例に対して、CAG施行時に同時にOCTを施行する。得られたOCT画像と、これまでにOCTを施行した外来経過観察中の冠動脈病変を有する症例を統合して、冠動脈データ(内膜厚の測定、中膜断裂像の有無、石灰化の有無、狭窄性病変の有無、Vasa Vasorumの定量)を得る。すでにOCTを施行している症例が23例あるため、さらに数例の症例を追加し、合計で約30例の症例で上記の内容について詳細に解析できる予定である。現在OCT画像の解析を進め、冠動脈瘤の残存する冠動脈枝、退縮した冠動脈枝、冠動脈瘤のない枝でのVasa Vasorumの数的差異があることを見出した。これらの結果をまとめて論文化を行い、投稿の準備を行っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数はおおむね計画通りに得ることができている。 対象となる患者の血液検体、OCT画像の必要データの抽出、解析作業を施行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、miRNAの抽出、網羅的なmiRNA解析に進む予定である。その後、OCT画像との比較検討を行い、川崎病冠動脈瘤形成に関連する因子の解析を進める予定である。 OCT画像解析で得られた知見を先行して論文化の予定である。
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Causes of Carryover |
論文投稿の準備に時間を要してしまった。次年度に投稿を予定しており、投稿費として使用予定である。
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