2021 Fiscal Year Research-status Report
レット症候群における睡眠障害の病態解明と治療 ー睡眠・覚醒制御システムの役割ー
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20K08198
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 准教授 (20332687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
佐藤 貴弘 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (50368883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レット症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群(RTT)は、MeCP2遺伝子変異を主因とし、主に女児で発症する神経発達障害で多様な神経症状を特徴とする。中でも、80%以上の患者で合併する 睡眠障害は、本人のQOL低下に加え、介護者の負担を増加させ、臨床における問題の一つである。 本研究は、MeCP2遺伝子を欠損したRTTモデルマウス、細胞を用いて、睡眠障害の病態における体内時計、概日リズム、睡眠・覚醒制御システムの役割を解明し、 睡眠障害をはじめとするRTTの病態メカニズムに迫るとともに、睡眠・覚醒制御システムの調節による治療の可能性を調べることを目的としている。 レット症候群モデルマウスにおける睡眠病態を解析するために、本年度は簡易睡眠評価システム、及び脳波測定により睡眠状態を解析した。その結果、簡易睡眠システムによる評価によって、RTTモデルマウスは、野生型マウスと同様の睡眠リズム、睡眠時間を有していることが明らかとなった。その一方で、RTTモデルマウスでは、120秒以下の短い睡眠の割合が増加することから、睡眠が断片化し、睡眠の質が低下している可能性が示唆された。また、脳波解析でも、RTTモデルマウスでは、野生型マウスに比較して、REM睡眠の割合が低下すること、更に、睡眠エピソードの変化が激しく、睡眠の質の低下が示された。現在、睡眠・覚醒における病態メカニズムを解明するために、候補となる遺伝子発現の解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レット症候群モデルマウスにおける睡眠時の脳波を取得、解析を実施し、睡眠・覚醒障害の一端を見出すことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
RTTモデルマウスにおいて、これまでに得られた睡眠・覚醒障害の病態メカニズムを解明するために、マイクロダイアリシスを利用して薬理学的に、また、病態に関連する因子を分子生物学的に解析する。
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Causes of Carryover |
追加の脳波データの委託解析や脳波解析用ソフトの使用料金としていたが、現在データを吟味している段階で、再解析の実施を次年度以降としたため。
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Research Products
(5 results)