2022 Fiscal Year Research-status Report
Phactr1遺伝子変異を背景とするウエスト症候群の分子病態メカニズムの解明
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20K08200
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
浜田 奈々子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 研究員 (70721835)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PHACTR1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Phactr1はウエスト症候群患者より遺伝子変異が同定された遺伝子であり、これまでに変異タンパク質の性状解析や大脳皮質形成に及ぼす影響について解析して きた。これまでの結果を踏まえて本研究では、PHACTR1変異の臨床的意義に焦点を絞り、患者由来リンパ芽球の生化学・細胞生物学的解析、結合する分子群 (Protein phosphatase 1、KCNT1(小児てんかん性脳症の原因遺伝子))との相互作用等の解析により、ウエスト症候群の分子病態メカニズムの一旦を解明する ことを目的とする。本年度はPHACTR1の発現抑制により引き起こされる大脳皮質神経細胞の移動障害がKCNT1の導入によりレスキューされるかについて検討した。子宮内胎仔脳遺伝子導入法により胎生14日目の神経幹細胞にPHACTR1発現抑制ベクターと野生型KCNT1発現ベクターを導入し、生後0日目、3日目に固定し、神経細胞の配置を観察したが、KCNT1によるレスキュー効果は認められなかった。またKCNT1のRNAiベクターについてオフターゲット効果のないことを確認するためにレスキュー実験を行なったがレスキュー効果が認められず、再度4個のベクターを作成し、その中からCOS7細胞において発現抑制効果が高い2個のベクターを選抜した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KCNT1のRNAiベクターを作成し、オフターゲット効果のないことを確認するためにレスキュー実験を行なったがレスキューが認められず、再度KCNT1のRNAiベクターの作成、評価を追加で行なったため。
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Strategy for Future Research Activity |
PHACTR1疾患由来変異体を導入し表 現型がより増悪するか評価する。またPHACTR1の発現抑制が引き起こす移動障害についてKCNT1の過剰発現でレスキューされるか検証する。また、PHACTR1、KCNT1それぞれの発現抑制ベクターを子宮内胎仔脳遺伝子導入法により導入したマウスの行動解析実験を行う。
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Causes of Carryover |
コンストラクションが遅れ、行動解析実験が行えなかった為。
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