2021 Fiscal Year Research-status Report
神経芽腫の自然退縮・分化に関わる新規予後良好分子マーカーの検討と治療応用
Project/Area Number |
20K08212
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20285266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳生 茂希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572547)
吉田 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10643546)
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (40453104)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
土屋 邦彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90381938)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 神経芽腫 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫は、MYCNなどの悪性度のマーカーは知られているが、自然退縮するマーカーは知られていない。本研究の目的は、神経芽腫患者の初診時血清より抽出したmiRNAを用いて網羅的に発現解析を行うとともに、神経芽腫細胞株を分化させたexsosomeから抽出したmiRNAとの相互解析から、①新たな非侵襲的なNBの分化特異的診断及び予後マーカーを検索することである。②さらにその候補miRNAの機能解析を行うことで新たな治療標的の検討を行い検証する。 当院での神経芽腫患者からの血清14検体(低リスク6検体、中間リスク2検体、高リスク6検体)を用いて、miRNAアレイは3D-Gene miRNA Oligo chipを用い、受託サービスを利用し、低リスクと高リスクで優位に差があり、かつ低リスクで優位に発現しているmiRNA候補を絞りこみ、さらに、連結した患者データー(年齢、病理,病期、MYCN増幅、11q LOH)との比較検討、検証を行い候補4種に絞りこんだ。これらのmiRNAが神経芽腫の分化退縮のマーカーである場合は、細胞株では低発現が予測され、細胞株にレチノイン酸を投与することで分化を促進して、候補miRNAの上昇が期待できると考えた。神経芽腫細胞株のレチノイン酸を用いた分化モデルを作成し、分化モデルにおいて、腫瘍細胞および上清において、これらのmiRNAがどのような変化を来すかを検証した。その結果、2種類のmiRNAが分化モデルによって、上清中に上昇することを確認した。この候補miRNAがExosome 内に存在するのかについて、細胞培養の上清を用いてExosome を回収するシステムを構築しつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経芽腫細胞株のレチノイン酸を用いた分化モデルを作成し、分化モデルにおいて、腫瘍細胞および上清において、これらのmiRNAがどのような変化を来すかを検証した。その結果、2種類のmiRNAが分化モデルによって、上清中に上昇することを確認した。この候補miRNAがExosome 内に存在するのかについて、細胞培養の上清を用いてExosome を回収するシステムを構築しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
候補2種類のmiRNAのバリデーションを下記の通り行う。当教室で樹立した15株を含む神経芽腫細胞株27株、正常細胞(リンパ球、血管内皮細胞、成熟星状細胞およびグリア前駆細胞)での細胞内および培養上清から抽出したexsosome内miRNAの発現量を確認する。 さらに複数の神経芽腫患者血清に対応した腫瘍検体を用い候補miRNAの発現量を確認する。この候補miRNAがExosome 内に存在するのかについて、細胞培養の上清を用いてExosome を回収するシステムを構築し、確認する。 また、神経芽腫細胞株におけるmiRNAの機能解析として、神経芽腫細胞株に候補miRNAのmiRNA mimic、miRNA inhibitor、またはpre-miRNA発現ベクターを導入、増殖(WST8 assay)、転移能(wound-healing assay, invasion assay)、分化(免疫染色)への影響を確認する。
|