2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establichment of control method for M2-type activated macrophage-mediated progression of childhood CKD.
Project/Area Number |
20K08219
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
池住 洋平 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70361897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 静子 藤田医科大学, 病態モデル先端医学研究センター, 教授 (20183527)
熊谷 直憲 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40400329)
山田 剛史 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90601922)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性糸球体腎炎 / 活性化マクロファージ / M2型活性化マクロファージ / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では慢性糸球体腎炎の進展機序について、炎症性・非炎症性またはステロイド治療や免疫抑制療法の有無を問わず全ての慢性糸球体腎炎の進展過程で認められる活性化マクロファージ(MQ)の役割に着目し、腎生検組織の免疫染色やヒト単球由来MQを用いたin vitro実験系により解析を行った。 MQの活性化様式には主に炎症性サイトカインによって活性化されるM1(炎症性)および抗炎症性サイトカインやステロイドによって活性化をもたらすM2(非炎症性)の2系統が存在し、本研究では特にM1、M2型活性化MQそれぞれの役割の違い特に注目し検討を行った。 その結果、慢性糸球体腎炎の治療薬として汎用されるステロイド薬は、糸球体内に浸潤する炎症性MQであるM1を抗炎症型のM2に転化し、さらにstabilin1といった免疫調整因子の発現を介して炎症を抑制する効果を有することを見出した。一方、糸球体硬化や尿細管間質線維化といった慢性病変の形成には主にM2型MQが関与しており、ステロイド薬はM2活性化を介してむしろ慢性病変の形成を助長する可能性を明らかにした。その機序として、ステロイド薬がM2による線維化促進因子の発現を増強するとともに、免疫賦活抗原であるCD300eの発現を増強しM2の生存期間を延長する作用を有することが考えられた。臨床において多剤併用療法としてステロイドと併用して用いられるミゾリビンにはステロイドによるM2活性化を抑制し、慢性病変の形成を抑制する作用があることを明らかにし報告した。 最終年度においては、引き続き腎組織中の活性化MQの活性化機序や組織線維化促進機序の解明に向け、特に組織病変における局在が一致するTリンパ球や筋線維芽細胞との細胞間クロストークに着目して準備を進め解析を行った。
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Research Products
(4 results)