2021 Fiscal Year Research-status Report
尿中スプライシング産物をバイオマーカーとした筋ジストロフィー治療評価系の検証
Project/Area Number |
20K08221
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田中 靖彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20595045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10596042)
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30441273)
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
奥野 美佐子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60646553)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Duchenne型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング / 尿中exRNA / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対し、エクソンスキッピングを誘導する治療法の臨床への応用が開始された。「DMDに対するエクソンスキッピング誘導治療」は本邦でも迅速承認を受けており、現在最も実績と有効性のある根治療法といえる。しかし、細胞レベルにおいてアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-Oligo)によるエクソンスキッピング効率には差があることが、想定されており、個々の症例における有効性を評価するバイオマーカーが無いことが治療を推進する上で妨げとなっている。申請者は尿中に排泄されるmRNAが筋組織におけるスプライシングを反映する可能性を着想した。そして、患者尿由来mRNAを解析することにより、個々の症例におけるエクソンスキッピング誘導治療の有効性を非侵襲的かつ簡便に評価するシステムを構築可能と考えた。本研究の成果により、臨床応用が開始されようとしているエクソンスキッピング誘導治療が大きく推進するものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筋細胞RNAおよびexRNAにおけるスプライシングパターンを解析するシステムの構築を行った。各症例ごとにReverse transcription (RT) -PCR法によって、ジストロフィンmRNAを増幅し、スプライシングを解析系を確立した。また、尿よりRNAを抽出するシステムの構築を進めているが、実験条件の設定が困難であり時間を要している。 前年度に引き続き、症例ごとのmRNAの解析を継続するとともに、治療によるスプライシングの変化に関して検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
筋細胞RNAおよび尿中exRNAにおけるスプライシングパターンが関連していることの検証を行う。その上で、DMD患者に対しAS-oligoによるエクソンスキッピング誘導を行った際の、尿中exRNAにおけるスプライシングの検討を行う。また、DMDモデルマウスであるmdxマウスに対しAS-oligoによるエクソンスキッピング誘導を行い、経時的に筋mRNAと尿中exRNAの解析し、両者が相関することを検証する。 今年度に引き続き、症例ごとのmRNAの解析を継続するとともに、治療によるスプライシングの変化に関して検討を続けている。
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Causes of Carryover |
尿よりRNAを抽出するシステムの構築に時間を要し、次年度も引き続き、実施する必要があるため。次年度は必要物品としてAS-oligo およびRTPCR用の試薬、プライマーを購入する予定である。
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