2022 Fiscal Year Annual Research Report
Tumor-tropic liposome-mediated therapeutic delivery of mRNA for the treatment of adolescent and young adult cancers.
Project/Area Number |
20K08227
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
齋藤 章治 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10623762)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / mRNA医薬 / 自殺遺伝子 / 乳がん / AYA世代がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度までの研究成果に基づき、乳がんに対する自殺遺伝子内包ナノ粒子の抗腫瘍効果および、乳がん細胞株の違いによる抗腫瘍効果の違いについて論文作成を行い、国際学術雑誌に受理され掲載された(Nakashima I, Saito S, et al. Non-viral inducible caspase 9 mRNA delivery using lipid nanoparticles against breast cancer: an in vitro study. Biochem Biophys Res Commun. 2022 Dec 20;635:144-153.)。 乳がん細胞株の違いによる感受性の違いについては、定量PCR法を行い原因を考察した。低用量において強いアポトーシス細胞死を示した最も感受性の良いSKBR3(HER2+)は、抗アポトーシス因子であるBcl-2が最も低値で、BAX/Bcl-2比が高かった。MDA-MB231(TNBC)においても良好なアポトーシス細胞死を誘導したが、高用量においてCID添加なしに細胞死が起きた。MDA-MB231においては、iC9発現量が最も高かった。また、アポトーシス促進因子であるBAXが最も高く、内因性カスパーゼ因子であるApaf-1、CASP9、CASP3値が最も高かった。一方、MCF-7(ER+)においては、低用量では細胞死は示さず、高用量において細胞死を示したが、その効果は弱かった。LPNs高用量添加によるiC9発現はSKBR3と同程度であったが、Caspase9活性が誘導されていなかった。MCF-7は、抗アポトーシス因子Bcl-2が高値であり、内因性カスパーゼ阻害因子であるXIAPも高値傾向であった。このような細胞株ごとのアポトーシス経路の遺伝子発現の違いが感受性の違いに関与していることが考えられた。
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