2021 Fiscal Year Research-status Report
体液エクソソームを用いた新生児慢性肺疾患の発症予測とmiR-21制御の治療効果
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20K08233
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30443857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新生児慢性肺疾患 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児慢性肺疾患(CLD)は未熟児の重篤な合併症の一つで、酸素暴露や感染などが関わるがその病態メカニズムは明らかでない。申請者は、高濃度酸素暴露で作製したCLDマウス肺では、microRNA-21(miR-21)の発現が上昇し、CLDマウスにmiR-21抑制剤を投与すると呼吸機能が改善することを発見した。 本研究の目的は、①miR-21ヘテロ欠損CLDマウスと、miR-21抑制剤を投与した野生型マウスを用いて、CLDにおけるmiR-21の役割を分子生物学的、病理組織学的に評価し、miR-21が治療標的になるかを検証すること ②早産児の気管吸引物、尿中のエクソソームmiR-21の発現解析を行い、CLDの低侵襲的な発症予測のバイオマーカーになるかを検証することである。 CLDモデルマウスの実験では、日齢14ではmiR-21inhibitor投与群で呼吸回数と分時換気量が改善していた。miR-21ヘテロ欠損マウスでも同様の結果が得られたが、miR-21ホモ欠損マウスでは野生型CLDマウスと比べ呼吸機能は変化がなかった。また、miR-21 inhibitor投与新生仔マウスとPBS投与新生仔マウスにおける肺でのmiR-21の発現をqPCRで解析したところ、miR-21 inhibitor投与群では、miR-21の発現は PBS投与群に比べ、20%程度まで減少していることがわかった。さらにmiR-21 inhibitor投与群ではPBS群に比べ、酸素暴露後日齢14での体重(6.2g±0.3g vs 5.8g±0.2g)が有意に増加し、分時換気量(21.3±0.9ml vs 18.2±1.2ml)、呼吸数(361±21 bpm vs 314±11 bpm)ともに改善していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト体液を用いたエクソソームのmiRNAの発現解析を行えなかったため。また、miR-21 ヘテロ欠損マウスを用いた実験も当初予定した計画通りに遂行することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト体液を用いたエクソソームにおけるmiRNA発現解析を進める。
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Causes of Carryover |
動物実験が当初予定していた計画よりも遂行できず、本年度の使用額が減ったため。 次年度に、研究日を増やし、使用額を増やす予定である。
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