2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K08237
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薮内 智朗 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60791936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60632651)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50192274)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 膜性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
膜性腎症は、糸球体基底膜上皮下に免疫複合体が沈着し補体の活性化により惹起される疾患である。長らくその原因となる抗原は不明であったが、近年成人の特発性膜性腎症の原因となるいくつかの抗原が発見され、特異的な治療に向け臨床的取り組みが進みつつある。小児特発性膜性腎症においてPLA2Rなど既知の膜性腎症抗原の陽性率は極めて低いため、小児の膜性腎症の発症機序が成人と異なると考えられる。 本研究では自己抗体の検出法であるプロテインアレイ技術の進歩に着想を得て、腎組織自体の抗原量の増減ではなく、小児膜性腎症患者血中に存在する自己抗体が反応する抗原を同定することを目的とした。ヒト蛋白質発現リソースを基盤としたプロテインアレイを用いて、小児膜性腎症患者のうち、IgG4が優位で沈着している症例、およびIgG3優位で沈着している症例とコントロール(非膜性腎症患者)の血清を用い、患者血清中に含まれる抗体を網羅的に解析した。その結果小児膜性腎症患者のIgG4陽性群、IgG3陽性群でそれぞれ60個をこえる特異的自己抗原候補、及び両群に共通の自己抗原を同定した。 得られた候補分子はいずれも膜性腎症の既知の原因抗原ではなく、既知の原因と別の発症機序によるものではないことが示唆される。候補分子に関し、データベースを用いて発現パターンを検討した。また抗体を用いた解析が可能な分子についてはマウス/ラット腎臓および健常ヒト腎組織を用いて免疫組織染色を行った。このうち腎糸球体に強く発現している分子が複数含まれていた。特にIgG4陽性群で抗体価の上昇が見られた候補分子Aはこれまで腎臓での働きについて検討がなされておらず機能が不明であるが、腎臓においては糸球体上皮細胞に特異的に発現していた。この分子を中心として、膜性腎症患者の血中および組織中での候補分子の発現変動および候補分子に対する抗体価の変動について検討を進めている。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 移植後FSGS再発例における抗ネフリン抗体に関連した病態の解析2023
Author(s)
白井陽子, 三浦健一郎, 神田祥一郎, 小池淳樹, 渡井至彦, 武田朝美, 後藤芳充, 堀田記世彦, 齋藤和英, 成田一衛, 石田英樹, 服部元史
Organizer
第56回日本臨床腎移植学会
-
-
[Presentation] Precise clinicopathologic findings for application of genetic testing in pediatric kidney transplant recipients with focal segmental glomerulosclerosis/steroid-resistant nephrotic syndrome.2022
Author(s)
MIURA Kenichiro, AKIOKA Yuko, Chikamoto Hiroko, ISHIZUKA Kiyonobu, HISANO Masataka, KANDA Shoichiro, KANEKO Naoto, SHIRAI Yoko, HASHIMOTO TAEKO, HARITA Yutaka, YAMAMOTO Toshiyuki, Toshiyuki Yamamoto, HATTORI Motoshi
Organizer
IPNA
Int'l Joint Research