2021 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞を用いたSTIM1ミオパチーの骨格筋・心筋の病態の解明と治療法開発
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20K08253
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柴 直子 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00639289)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | STIM1 / ミオパチー / iPS細胞 / 心筋 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
STIM1遺伝子変異によるミオパチーは進行性に全身の骨格筋萎縮、筋力低下を来し、時に心筋傷害を合併する常染色体優性遺伝性の神経筋疾患である。STIM1は心筋、骨格筋、中枢神経などに広く存在し、小胞体内のカルシウム濃度を感知し細胞膜上のORAI1 チャネルを介する細胞外から細胞内へのカルシウムの流入を制御することでカルシウム動態の恒常性の維持に重要な働きをしているタンパク質であり、その機能の破綻によるカルシウム動態の異常がミオパチーの原因と考えられているが、その自然歴や病態は不明な点が多く、治療法がまだ確立されていない。 本研究課題では、STIM1遺伝子変異によるミオパチーの心筋・骨格筋傷害のメカニズムについて、患者由来iPS細胞から分化誘導して作成した心筋細胞および骨格筋細胞を解析し、両者の病態の共通点、相違点について明らかとし、病態に根ざした治療法を開発することを目的としている。 2020年から2021年度には、患者線維芽細胞からのiPS細胞樹立、CRISPR/Cas9システムを用いた点変異の修復(isogenic controlの作成)、両細胞に対するセーフハーバー領域へのカルシウム感受性蛍光色素遺伝子および膜電位感受性蛍光色素遺伝子のノックイン、心筋細胞への分化誘導、遺伝子発現解析(RNA-seq)、ライブセルイメージング等を行った。骨格筋細胞への分化誘導については、当初は心筋細胞と同様の低分子化合物やケモカインの添加によるdirected differentiation法を予定し条件検討を行ってきたが、表現型解析可能に適した高純度の成熟骨格筋細胞が得られず、強制発現系による分化誘導法に変え実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPS細胞の作成、ゲノム編集、GCaMP遺伝子導入、心筋細胞分化誘導および表現型解析、遺伝子発現解析など、ほぼ計画通りに実施できたが、骨格筋分化誘導については、当初予定していた方法では高純度の成熟化骨格筋細胞が得られておらず、骨格筋細胞の解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は薬剤を用いた心筋細胞の機能解析を進めていくとともに、強制発現系を用いた骨格筋細胞分化誘導法を再検討し骨格筋細胞を作成する。これまでに得られた心筋細胞の解析結果を応用し、骨格筋細胞の表現型解析、薬剤による効果の検討を効率的に進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度の実験計画がやや遅れ次年度使用額が生じた。今年度行うことができなかった実験については内容を一部修正して来年度に行う予定で、次年度使用額はこれらの実験に必要な試薬等の消耗品に充てる。
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