2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the pathological metabolites of peroxisome biogenesis disorder using disease models
Project/Area Number |
20K08254
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 茂雄 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (50537610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 極長鎖脂肪酸 / 分枝脂肪酸 / プラズマローゲン / ペルオキシソーム / 先天代謝異常症 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はペルオキシソーム形成異常症のモデル細胞を用いた研究を行った。PEX3遺伝子のhypomorph変異を導入した軽症型患者モデル細胞は細胞集団内にペルオキシソームをほぼ正常に有する細胞、ペルオキシソームを少数持つ細胞、まったく持たない細胞が混在するモザイクペルオキシソーム(軽症型の患者で頻繁に生じる)を呈する。この原因を調べるため、候補因子について薬剤を用いた検討を行った。小胞体ストレス誘導因子、Notch経路阻害剤等について様々な濃度で細胞に添加してモザイクペルオキシソームに変化が生じるかを検討したが、明らかな変化は認められなかった。 次に遺伝子レベルでの影響を検討するため、上記の細胞をペルオキシソームを持つ集団と持たない集団に分けて、トランスクリプトームレベルの比較を行った。本細胞集団にペルオキシソーム移行シグナル(PTS2)と分解シグナル(PEST配列)を付加したmCherry蛍光タンパク質mRNAと、導入マーカーとなるEGFP mRNAを共導入した。ペルオキシソームを持つ細胞ではmCherryタンパク質がペルオキシソーム内に入るために分解を免れるが、ペルオキシソームを持たない細胞ではPEST配列の影響で早期に分解され、EGFPのみが発現する。この違いを利用しペルオキシソームを持つ細胞と持たない細胞の集団をセルソーターで回収し、それぞれからRNAを抽出してマイクロアレイを用いて遺伝子発現比較を行った。その結果、38の遺伝子について2倍以上の有意な発現変動を見出した。今後はこれらの遺伝子についてモザイクペルオキシソーム誘導因子としての機能を評価する予定である。 全研究期間を通して、ペルオキシソーム形成異常症のモデルフィッシュ及びモデル細胞を用いた研究を行い、疾患特異的に変動する脂肪酸種の同定と、疾患に伴い発現が変動する遺伝子について詳細に明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)