2020 Fiscal Year Research-status Report
骨石灰化におけるピロリン酸濃度とその調節機構の解明―網羅的代謝物遺伝子発現解析―
Project/Area Number |
20K08256
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
窪田 拓生 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40629135)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨石灰化 / ピロリン酸 / リン |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格の石灰化にはカルシウム、無機リン(Pi)、石灰化阻害物質のピロリン酸(PPi)が重要な役割を果たしているが、骨石灰化過程の調節機構は十分には明らかではない。アルカリホスファターゼ(ALP)に加えて、プリン作用性シグナル伝達経路など様々な分子が石灰化に関与している。また、骨石灰化に適切なPPi濃度、PPi/Pi比は明らかではなく、骨石灰化に関与する分子の全体像も解明されていない。低リン血症性くる病(XLH)モデルマウスや低ホスファターゼ症(HPP)の骨でPPiが増加しているとされているが、HPPの骨局所のPPi濃度、PPi/Pi比は明らかではない。さらに、骨石灰化の程度を反映するバイオマーカーや遺伝子発現プロファイルは存在しない。本研究では、骨石灰化に適切なPPi濃度、PPi/Pi比、骨石灰化関連新規物質、骨石灰化の程度を反映するバイオマーカーや遺伝子発現プロファイルを明らかにする。ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を骨芽細胞分化培地を用いて培養したところ、骨芽細胞分化マーカーや石灰化関与分子マーカーの発現増加が見られ、石灰化も確認された。培養中のPi濃度を一定にするため、分化培地に含まれるβglyceroophosphate(βGP)に代わりNaPiも用いた。NaPi培地では、骨芽細胞分化マーカーや石灰化関与分子マーカーの発現上昇、ALP活性上昇、石灰化も認め、PPi濃度は低値であった。PPiを添加すると、用量依存的に石灰化が抑制され、Pi/PPi比、ALP活性の低下を認めた。また、ALPの発現調節機構の解明のため、ALP発現調節領域の緩みを検討するATAC-Seqを維持培地、分化培地、NaPi培地で実施した。同様の条件でRNA-sequencingを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の影響により、十分な実験時間を確保できなかった。ATAC-Seqを実施するための条件設定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
石灰化に関連する培養液中PPi、Pi濃度やPi/PPi比を明らかにする。ATAC-SeqとRNA-sequencingの結果に基づいて、ALP遺伝子発現調節配列を明らかにし、骨石灰化の程度を反映するバイオマーカーや遺伝子発現を検討する。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響で、実験を予定通り遂行できなかった。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Clinical, Biochemical and Genetic Study in Patients with Odontohypophosphatasia in Japan2020
Author(s)
Kubota T, Ohata Y, Ishihara Y, Fujiwara M, Takeyari S, Yamamoto K, Nakano Y, Kitaoka T, Nakayama H, Yamada C, Ishimi T, Okawa R, Nakano K, Akiyama T, Kakimoto H, Araki S, Sano S, Ogata T, Ozono K.
Organizer
ASBMR 2020 Annual Meeting
Int'l Joint Research
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