2022 Fiscal Year Annual Research Report
人工呼吸器関連肺障害新生仔マウスを用いた新生児慢性肺疾患の病態解明
Project/Area Number |
20K08261
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 真紀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50423794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30443857)
桃井 伸緒 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10285033)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
吉野 大輔 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80624816)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 新生児慢性肺疾患 / 人工呼吸器関連肺傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児慢性肺疾患(CLD)は未熟児の重篤な合併症の一つで、酸素暴露、人工呼吸管理や感染などによる肺障害が関わっているがその病態メカニズムは明らかでない。体を構成するほぼすべての細胞は、生命活動において常に機械的ストレス(メカニカルストレス)を受けているが、各臓器のメカニカルストレスの受容については未だ不明な点が多い。本研究では、未熟肺にかかるメカニカルストレスとマイクロRNA(miRNA)に着目し、CLDの病態を解明する。 本研究の目的は、①マウス新生仔用人工呼吸器を作製し、人工呼吸器関連肺傷害CLDマウスを作製する ②その肺におけるmiRNA発現解析を行い、発現変化しているmiRNAのうち、メカニカルストレスに関与する標的miRNAを同定する ③標的miRNAの阻害剤、促進剤をCLDマウスに投与後、病理組織学的、生理学的に評価し、CLDの治療標的に成り得るかを検証することである。本研究によりCLDの新たなメカニズム解明と臨床応用への展開が期待される。 マウス新生仔用人工呼吸器作製については、2022年10月に完成し、動物実験を行った。コロナウイルス感染蔓延に伴う、行動制限により、人工呼吸器完成と導入に至るまでに、当初の予定より2年程度遅れた。In vivoでの実験が遅れたため、In vitroでの実験を併行して行う方針とした。マウスの肺上皮細胞(MLE)を培養細胞進展装置に曝露し、In vivoで行う予定であったmiRNAの発現解析を行った。miRNA発現解析の結果、MLEを培養細胞進展装置に曝露後24時間におけるMLEでは、非曝露群に比べ、miR-34a, miR-21の発現が増加し、IL-6のmRNAの発現も上昇していることが明らかになった。この結果は、In vivoでの実験を進める上で非常に重要となる結果であった。
|