2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring novel proangiogenic factors of pulmonary artery using a LacZ reporter mouse for pulmonary artery smooth muscle
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20K08267
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内田 敬子 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (50286522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺動脈発生 / 平滑筋 / 遺伝子改変マウス / 先天性心疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児循環器の医療現場で遭遇するチアノーゼ性心疾患にはしばしば肺動脈低形成が合併する。肺動脈低形成には有効な治療法がないために手術適応をも左右する予後不良因子となる。肺動脈の中膜を形成する肺動脈平滑筋は体血管平滑筋と比べて低酸素反応性を始め特徴的な機能を有するが、肺動脈平滑筋の発生機序の詳細は不明な点が多い。本研究の目的は、肺内で肺動脈平滑筋を特異的に標識するIP3R2-LacZマウスを用いて肺動脈平滑筋の発生機序を解明し新規肺動脈成長因子の探索を介して肺動脈低形成の治療法につながる基礎的知見を得ることである。 肺動脈平滑筋の細胞系譜の一つと考えられる肺間葉系細胞に発現する因子について、肺器官培養系でアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)を用いて遺伝子翻訳を4割抑制し、whole-mount LacZ染色や作製した切片の肺動脈マーカーに対する免疫組織化学法により肺発生を評価したところ、胎生11日のマウス肺では、この肺間葉系因子の抑制により肺気道上皮の分岐が有意に抑制され、肺血管内皮細胞の分子マーカーの一部の発現が特異的に低下した。 さらに、先天性複雑性心疾患を複数もつ家系の遺伝子解析から疾患関連遺伝子の候補としてNODALとTBX20の2因子が挙げられ、家系解析から得たそれぞれのバリアントのin vitro解析から機能低下型が考えられたため、NODALとTBX20のダブルノックアウトマウスを作製した。NODAL・TBX20ダブルノックアウトマウスにIP3R2-LacZマウスを交配することによって詳細な肺血管形態の観察が可能であった。
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