2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of gene therapy for hypophosphatasia
Project/Area Number |
20K08268
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 教授 (90267211)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低フォスファターゼ症 / アルカリフォスファターゼ / アデノ随伴ウイルスベクター / 筋肉注射 / 霊長類 |
Outline of Annual Research Achievements |
低フォスファターゼ症は組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNALP)遺伝子の異常によって発症する常染色体劣勢の先天性代謝異常症で、特に重症度の高い周産期型は全身の骨形成不全を伴って生後早期に死亡する。我々は低フォスファターゼ症の周産期型モデルマウスを使用し、TNALP発現アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる新規治療法(遺伝子治療)の研究を進めてきており、モデルマウスの延命効果や正常な骨形成などの良好な治療結果を得ている。本研究では今までの研究結果を基に、安全性の高いTNALP発現AAVベクターの1回の筋肉注射による新規治療法の実用化に向けて、本治療法の有効性と安全性を大型動物である霊長類を用いて検討を行う。 本年度はTNALPを発現する組換えAAVベクターの作製を行い、霊長類(アカゲザル)への投与を行った。AAVベクター作成に関して、TNALPは筋肉内より分泌し骨親和性を持つようにSolubleのTNALPにD10を修飾したもの(TNALP-D10)を使用し、AAVベクターの血清型は筋肉細胞で発現効率が高い8型を使用した。作製したAAVベクタープラスミドとAAVのcap, rep発現パッケージングプラスミド及びヘルパープラスミドをHEK293細胞にPEI法にて遺伝子導入し、その細胞内及び上清よりAAVベクターを回収し、Iodexanolを用いた超遠心とカラムにより精製濃縮を行った。作製後AAVベクターの力価の測定を行い、in vitroでの発現の確認を行った。作成されたAAVベクターをHeLa細胞、C2C12細胞に遺伝子導入し、上清のALP活性を測定したところ十分な活性が認められた。このウイルスベクターをアカゲザルの外側広筋に投与(1x10*13 vg/ml)を行った。現在までに投与アカゲザルの血清中のALPの上昇を認めており、今後経過を追って観察してく。
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