2020 Fiscal Year Research-status Report
小腸上皮自家オルガノイド移植は、小腸移植後の拒絶反応を回避できるのか?
Project/Area Number |
20K08273
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒羽 正剛 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70709469)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博典 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00723032)
和田 基 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80372291)
梅田 みか (渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 小腸移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、当院で過去に小腸移植を施行した症例のデーターベースを作成に着手した。構築したデーターベースを用いて、性別、移植時期、グラフト小腸の生着率、生存率などを明らかとした。リストにあげた症例のうちレシピエントとドナーの性別が異なる症例を対象として絞り込んだ。移植後小腸の病理組織でY染色体のFISHを用いてレシピエント由来細胞への置換の有無を検証した。まずは数症例について移植後の内視鏡下生検のY染色体FISHを施行した。経時的変化を確認するため、移植後6点を設定し、それぞれでY染色体FISHを行った。過去に採取した病理検体でもY染色体FISHによる評価は可能であった。グラフト小腸において、上皮領域にY染色体陽性細胞が確認され、その置換率は拒絶反応をきたすことで上昇し、拒絶反応が改善すると減少することが明らかとされた。拒絶反応により約40%ほど置換される症例もいた。また、これにより上皮細胞への置換は永続的な置換ではないことが明らかとなった。ただし、解析した症例は成人だったため、対象をより小児とすることで、可塑性についての検証を追加する予定である。また、拒絶反応(炎症)に応じて置換されることが明らかとなったため、置換率と生着率の関連を解析する予定である。現在解析に適した移植後の時期設定を考察している。また、これが腸管上皮細胞であることを確認するため、CD45、cytokeratinとの共染色を追加している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病理標本のY染色体FISHとCD45、Ecadherinの共染色の確立にやや難渋していた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在ラット移植実験を並行して計画している。必要なラットの入手先は決まっており、動物実験の申請が許可され次第実験が開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
染色に必要な抗体の選定を行い、次年度に使用する予定である。
|