2021 Fiscal Year Research-status Report
小腸上皮自家オルガノイド移植は、小腸移植後の拒絶反応を回避できるのか?
Project/Area Number |
20K08273
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒羽 正剛 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70709469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博典 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00723032)
和田 基 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80372291)
梅田 みか (渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小腸移植 / オルガノイド / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、小児移植後の検体を用いた病理学的な検証と、in vitroのラット移植実験に着手した。まず、小児移植後の検体を用いた検証では、前年までの検証でグラフト小腸において、上皮領域にY染色体陽性細胞が確認されているが、その置換率は拒絶反応をきたすことで上昇し、拒絶反応が改善すると減少することが明らかとされた。移植後腸管のグラフト生着率は、小腸移植の時期(移植そのものの手技や薬剤による影響がおおきい)の関連が高く、ドナー小腸上皮への置換率には明確な関連は見られなかった。ただ、ドナー小腸への置換率が高い症例は移植後拒絶反応が高い傾向を認めた。これらを、サイトケラチン染色の二重染色などにより精度高く検証した。次に、ラットを用いた小腸移植実験を行った。まず、移植のドナー腸管上皮の樹立のためGFP-LEWラットを購入した。GFP-LEWラットから大腸および小腸を摘出し、陰窩を単離した。単離した陰窩からオルガノイド培養を試みた。上皮の培養には自作のWENRAIF培地、市販の培地、FBSを入れたWENRAIF培地などを用いた。一部のオルガノイドで培養が可能であった。ただし、増殖効率が悪いため、培地内のニッチ因子のうち、どの因子が増殖に関連しているか、阻害因子となっているものが何かの検証している。また、オルガノイド移植において、GFP-LEWラットは免疫原性を有する可能性も考え、GFP-LEWラット以外に、LEW-Tg(Gt(ROSA)26Sor-luc)11Jmsk系統を用いて同様の検証を行う予定である。共同実験者によるラット移植の手技についても同様に取得しており、準備ができ次第移植実験を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に実験制限の期間があり、一部の実験に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
準備でき次第移植小腸グラフトへのオルガノイド移植実験を行う。免疫原性の少ないLEW-Tg(Gt(ROSA)26Sor-luc)11Jmsk系統を用いた腸管上皮オルガノイド培養を施行する。並行して同様の検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ごくわずかであるが次年度資金を持ち越した。持ち越し資金は本年度のラットの購入などの購入費に充てる予定である。
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