2021 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性肝疾患におけるHLA-KIR遺伝子多様性の解析と病態解明
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20K08282
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
梅村 武司 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30419345)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | KIR / HLA / HCC / HBV |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はC型肝硬変から肝細胞癌発症する危険因子を明らかにする目的で約200名のC型肝硬変患者についてKIRとHLAを測定した。これらの患者における肝細胞癌の発症との関連性について検討したところKIR3DL1/HLA-B Bw4、KIR3DL1/HLA-B Bw4-80Ile陽性の場合に、有意に累積発がん率が高率になることが明らかとなった。多変量解析では男性、AFP高値、KIR3DL1/HLA-B Bw4陽性が独立した危険因子であることが判明した。これら危険因子を3つ持つ高リスク群、1つか2つ持つ中リスク群、1つも持たない低リスク群の3つの群に分けて検討を行うと高リスク群、中リスク群、低リスク群の順に有意に累積発がん率が高いことを明らかにした。(Umemura et al. Cancers 2021)よって、今後はSVR後発がんにおいてもこれらの関連性について検討を行う予定である。 さらに、280名のB型慢性肝炎における核酸アナログ中止例についてKIRとHLAを測定した結果、KIR3DL1/HLA-B Bw4陽性であると核酸アナログの中止が非常に難しいことを明らかにした。(Joshita, Umemura et al. Sci Rep 2021) IgG4関連疾患の一つであるIgG4-related periaortitis/periarteritisの発症に関連する遺伝学的検討を行った。75例でゲノムワイド関連解析を施行した際にインターロイキン1受容体タイプ1(IL1R1)の関連性が示唆されたため、IL1R1遺伝子の8つのSNPsについて解析を行った。6つのSNPsのマイナーアレルがIgG4-related periaortitis/periarteritisで有意に高率であることを明らかにした。(Umemura et al. Gene 2022)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自己免疫性肝炎におけるKIR/HLAの関連性は既に報告し。本年度は他の慢性肝疾患であるC型肝炎とB型肝炎におけるKIR/HLAの関連性を既に明らかにした。 残る課題は原発性胆汁性胆管炎におけるKIR/HLAの関連性についてを明らかにすることである。
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Strategy for Future Research Activity |
原発性胆汁性胆管炎患者は残り50名についてHLAとKIRのタイピングを行う予定である。来年度には既に検査済みの300名の患者、325名の健常人のデータを合わせて疾患感受性、病態予後との関連性について明らかにすることが可能である。 また、患者30例において次世代シークエンサーを用いた全HLA遺伝子の解析は終了して6桁から8桁のHLAのタイピングは終了している。現在得られた塩基配列について従来から報告のある配列との相違を検討中である。新しいアリルの発見もあり投稿準備中である。
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Causes of Carryover |
本年度施行したKIR/HLAの測定について想定より費用がかからなかったため。次年度の残りの症例の解析について次年度使用額を充てることができるため、健常 者全ての解析が可能となる。より、詳細なデータ解析が行えると考えられる。
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