2022 Fiscal Year Research-status Report
鉄除去により強制的に変化させた代謝を標的とした新規抗癌併用療法の開発
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20K08289
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤澤 浩一 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00448284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
松本 俊彦 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70634723)
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん / 鉄 / キレート / 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄は生体に必要な微量元素であり、鉄キレート剤は癌に対する新たな治療ストラテジーとして注目されている。細胞内には多くの鉄が必要な酵素があり、鉄除去によって細胞内代謝が大きく変化することが考えられる。しかし様々な鉄含有タンパクなど多くのターゲットがあることからDeferroxiamine (DFO)による影響を詳しく評価することは困難であり、どのターゲットが重要であるか細胞種ごとに知る必要がある。そこで本研究ではこれまでに報告がないDFO耐性株を作製するために、DFO投与を継続することで肝癌細胞株(Huh7)の耐性株作製を目指した。数か月以上DFOを投与し、徐々にDFO濃度を上げてゆくことを継続することでHuhのDFO耐性株を得ることができた。さらに非耐性株でDFO投与により起こる変化とともに評価し、どのターゲットが癌細胞の生存にとって重要なのか解析を試みた。特に、癌幹細胞で増加が報告されている代謝産物の変動など、いくつかの変化が認められた。さらに遺伝子発現解析では解糖系の代謝変化などいくつかの興味深い変化がDFOとの併用薬剤のターゲットに挙げられることが示された。これら候補薬剤とDFOの併用効果をHuh7で評価したところ、併用することにより、より多くの細胞が死ぬことからあきらかな併用効果が認められた。本研究で得られたDFO投与により強制的に代謝をモディファイすることによる併用療法に関する知見は今後の新たな癌化学療法に有益なものになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに2種類の細胞について評価を行ってきた。1つ目のHeLa細胞の解析については2022年に論文報告を行った。またHuh7細胞でも興味深いデータが得られており、論文投稿の準備を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
Huh7細胞におけるDFOの評価を行う。 特に遺伝子発現解析、メタボローム解析などを中心として鉄キレート剤の効用と併用療法の可能性を解析してゆく。
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Causes of Carryover |
アメリカでのメタボローム解析を予定していたが、円高のため高額となり予定を変更したため。 以前メタボローム解析の価格は高いままであるため、予定を変更し、国内での遺伝子発現解析や研究試薬購入費などに変更する。
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