2020 Fiscal Year Research-status Report
ガス分子薬開発に向けたヘムオキシゲナーゼ/一酸化炭素による腸内環境調整作用の解明
Project/Area Number |
20K08292
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70405257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00305575)
内山 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50298428)
堅田 和弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60593910)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一酸化炭素 / Heme oxygenase-1 / Bach1 / 腸内細菌叢 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
Bach1欠損マウス(Heme Oxygenase-1(HO-1)高発現マウス)では、デキストラン硫酸(DSS)惹起性腸炎が野生型マウスに比較して抑制されることをもとに、Bach1欠損マウス(HO-1高発現マウス)を用いて腸内細菌叢解析を行い、野生型マウスと全く異なる腸内細菌叢構成を示すこと、co-housingによりBach1欠損マウス(HO-1高発現マウス)の腸内環境を移植された野生型マウスにおいてもDSS惹起性腸炎が抑制されること、HO-1高発現環境下で優位性を示す腸内細菌の一つとして同定されたParaprevotella claraの投与により腸炎が抑制されること、を明らかにした。Paraprevotella claraについては、潰瘍性大腸炎患者で有意に減少している菌種であることを確認しており、抗炎症性細菌として有望な候補菌であると考えられた。一方、Bach1欠損マウス由来のHO-1高発現マクロファージを用いてビーズ貪食活性試験を実施したものの、HO-1・一酸化炭素(CO)系を介した明らかな貪食能亢進作用は確認出来なかった。このことから、Bach1欠損マウス(HO-1高発現マウス)と野生型マウスの腸内環境の相違にはマクロファージの貪食能に依存しない別の機序が存在することが想定された。 また、外因性COによる大腸粘膜治癒促進効果の検証については、腸管上皮細胞のシグナル分子解析を行い、COがRhoシグナルを活性化することにより、細胞遊走能を亢進させることを明らかにした。本成果については英文誌報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究については、コロナ感染拡大を受けて、動物試験の進捗が当初計画より遅延しているものの、腸内環境解析の一環としての有機酸解析に一定の目途がついており、次年度研究に繋げていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度結果を受けて研究を継続するが、Bach1欠損マウス(HO-1高発現マウス)の腸内環境移植実験として糞便移植を予定しており、また、腸内環境のアセスメントとして腸内細菌叢に加えて糞便中の有機酸解析に焦点を当てて解析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究については、コロナ感染拡大を受けて、動物試験の進捗が当初計画より遅延してたため、動物試験に予定していた経費を翌年度への繰り越しを行った。腸内環境解析の一環としての有機酸解析に一定の目途がついており、次年度研究に繋げていく予定である。
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Research Products
(2 results)