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2022 Fiscal Year Research-status Report

肝癌のチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性獲得機序の解明と耐性克服薬の探索

Research Project

Project/Area Number 20K08293
Research InstitutionTohoku Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

小暮 高之  東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70400330)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 賢治  旭川医科大学, 大学病院, 助教 (00736332)
嘉数 英二  東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20509377)
佐藤 麻理  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (20846018)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords肝細胞癌 / 微小環境 / チロシンキナーゼ阻害薬
Outline of Annual Research Achievements

基礎研究で肝細胞癌に対して腫瘍縮小効果を示すソラフェニブ・レンバチニブなどチロシンキナーゼ阻害薬は、実臨床で予後延長効果を示すが腫瘍縮小効果は乏しく、耐性を生じていると推測される。血管新生阻害作用を有するチロシンキナーゼ阻害薬は腫瘍微小環境に低酸素状態をもたらし、抗癌剤耐性の主因と推測される。本研究では、肝癌のチロシンキナーゼ阻害薬耐性獲得の過程で起こる腫瘍微小環境の変化について、腫瘍細胞および間質細胞の分泌する微小顆粒エキソソームの観点から解析する。

肝細胞癌患者に化学療法の一次治療としてソラフェニブが投与され、奏効せずに二次治療を予定して腫瘍生検を行った患者についての腫瘍組織の低酸素誘導の有無を免疫組織化学および定量PCRを用いてHIF1- alphaの発現を検出したところ、腫瘍内のその発現は背景間と比較して亢進していたが、化学療法ナイーブ患者も同様に発現亢進を認め、その程度についての有意な差はなかった。

低酸素培養がもたらす肝癌細胞のチロシンキナーゼ阻害薬耐性に関連する分子を同定するため、低酸素条件でレンバチニブの暴露下に変動する遺伝子を網羅的に解析し、低酸素下にレンバチニブの細胞障害性に関連して変動する複数のmRNAおよびマイクロRNAを同定した。発現変動を認めた複数のmRNAのうちfibronectinがそのネットワークの中心と推測され、レンバチニブ耐性に関与することが明らかとなった。また、顕著な発現変動を示したhsa-miR-491, およびhas-miR-1297について、mimicを用いて発現量を調節することにより、レンバチニブの細胞障害性が一部回復することが明らかとなった。免疫沈降を用いて翻訳マシナリーに取り込まれたRNAを解析し、これらマイクロRNAの標的遺伝子を複数同定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

培養上清中のエキソソームからのRNA抽出およびその解析の結果がドナー細胞の結果と乖離しており、複数回の追試が必要となったため、計画に遅延が生じている。

Strategy for Future Research Activity

ドナー細胞でのマイクロRNAの解析を進め、同時にエキソソームRNAの網羅的検討を含めた解析を試みる。微小環境に役割を担うマイクロRNAおよびlong non-coding RNAを同定して動物実験につなげる。

Causes of Carryover

培養細胞およびエキソソームを用いた検討の結果が当初の予想と異なり、追試を複数回行ったため、トランスウェルを用いた共培養実験および動物実験(マウスを用いた検討)を行うことができなかった。このため次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和4年度の助成金と合わせて、共培養実験および動物実験の費用として執行する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] microRNA-1297は低酸素下に誘導される肝細胞癌のlenvatinib耐性に関与する2023

    • Author(s)
      小暮高之、佐藤麻理、伊藤豪仁、遠藤克哉、廣田衛久、佐藤賢一
    • Organizer
      第109回 日本消化器病学会総会

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Published: 2023-12-25  

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