2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬の耐性克服のための糞便移植の意義
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20K08295
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
須河 恭敬 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医長 (80772566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 康夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10513921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年広く使用されるようになってきている免疫チェックポイント阻害剤と腸内細菌の関係を明らかにし、治療介入の可能性を検討するために計画した。これまでにも免疫チェックポイント阻害剤の効果や副作用の発現状況と腸内細菌の関係については、さまざまな癌種において報告がされているが、臨床に応用可能なものについては確立されていない。 本研究の最初の段階として、まずは免疫チェックポイント阻害剤使用時の腸内細菌と免疫系のマーカーの動きについて調べるために、臨床検体の収集を進めている。実際に臨床で免疫チェックポイント阻害剤を使用された症例の検体を収集することで、治療が有効であった症例と、無効であった症例のバイオマーカーを比較し、治療効果に重要な役割を担っているものが何かを探索し解析している。臨床検体として血液、糞便、組織を収集しバイオマーカーについての解析を進めているが、収集できている検体数にも限りがあり、新規のバイオマーカーの同定には至っていない。 収集した臨床検体を用いて、オルガノイド樹立技術なども用いて新たな実験モデルの構築についても進めているが、免疫チェックポイント阻害剤のバイオマーカー研究に応用できるようなモデルの構築には至っていない。腸内細菌の治療応用として糞便移植が一部の疾患に対しては利用されるようになってきており、腸内細菌の免疫チェックポイント阻害剤に対する役割を明らかにできれば、癌治療にも応用できるのではないかと、研究を検討しているが、まだ臨床に応用できるだけのデータが揃っていないため、十分なデータが揃ってから臨床応用に関しての検討を進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究のための症例集積が進まず、研究に必要なサンプル数が十分集められていない。 協力施設も増やして症例数を増やすように研究計画を修正しながら研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在徐々に検体は収集されており、解析しているバイオマーカーの一部では免疫チェックポイント阻害剤の臨床効果との関連が示唆されるものが見つかっている。このような新規のバイオマーカーになりうる因子に関して、基礎レベルでの免疫チェックポイント阻害剤の効果との関連の検証を進めていく。
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Causes of Carryover |
学会参加などについてコロナの影響もあり控えていた。研究に関しても次年度に予定しているものがあるため、次年度で繰り越した額については使用する予定となっている。
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