2020 Fiscal Year Research-status Report
LPS暴露腸間膜由来血管内皮細胞がNAFLD病態形成に果たす役割の解明
Project/Area Number |
20K08301
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
西島 亜紀 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40566105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (70400512)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NAFLD / エンドトキシン / 内臓脂肪組織 / 血管内皮細胞 / dysbiosis |
Outline of Annual Research Achievements |
10-12週齢のラットを用いて腸間膜血管内皮細胞を単離する方法を確立した。具体的には、まず、腸間膜脂肪組織を無菌的に採取し、細切したのち、コラゲナーゼにより消化し、メッシュでろ過することで脂肪組織由来stromal vascular fraction (SVF)を単離した。これを培養し、継代して増やしたのち、ビーズ法を用いて血管内皮細胞 (ATDECs)を回収した。この血管内皮分画はSVF内で非常に少なく、回収率は5%程度であった。内皮細胞用培地を用いてATDECsを培養した。 このATDECsに対しlipopolysaccharide (LPS)を0, 1, 10, 100, 1000 ng/mlで添加し、Cell Counting Kit-8にて細胞増殖/細胞毒性を確認した。いずれの濃度においても細胞毒性は認められず、LPSによる直接的な血管内皮細胞障害がないことが示された。細胞数を計測し、LPS 1000 ng/ml添加時にはATDECsの増殖が抑制される傾向がみられた。そこで、LPSによる増殖抑制や細胞毒性が出現しない低濃度の1 ng/ml添加によりATDECsを刺激し、細胞動態を解析していくこととした。 次に、LPS刺激+/-ATDECs由来のextracelular vesicles (EVs)を回収した。EVsを介した情報伝達によって、脂肪組織に何らかの変化が誘導されると考えており、まずアディポカン分泌の変化を確認することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂肪組織から回収できるATDECsが予想していたよりも非常に少なかったため、増殖させる時間が必要な上に、一度に行える実験が限られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度にはLPS刺激を受けたATDECsが脂肪組織に与える影響を、主にアディポカンについて解析する。また、HepG2肝細胞株を用いて、LPSにより影響を受けた脂肪組織が肝細胞に与える影響を、3次元培養を行い解析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において学会への参加が困難となったため。次年度も海外への出張を計画していたが、おそらく中止することが予想される。Web開催の学会で新しい知見を集めるようにする。また、次年度は3次元培養を行い、標本作製し、免疫染色での検討を予定しており、顕微鏡を購入予定である。
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