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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Tm mapping法による肝硬変腹水中の細菌の同定・定量と自然免疫応答の解析

Research Project

Project/Area Number 20K08305
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

田尻 和人  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30512165)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 仁井見 英樹  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50401865)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords特発性細菌性腹膜炎 / 肝硬変症 / Tm mapping法
Outline of Annual Research Achievements

有腹水肝硬変患者の腹水中の細菌をTm mapping法を用いて解析し、従来の特発性細菌性腹膜炎(SBP)の診断法である、腹水中白血球(好中球)数、腹水細菌培養の陽性率と比較検証を行った。また腹水中のサイトカインをELISA法を用いて測定し、腹水中のマクロファージ、好中球についてFACS解析を行い、SBPの病態につき検討を行った。肝硬変患者29例につき解析を行った。腹水中WBCのSBPの診断における有用性が確認された。2名でのみ培養陽性であったが、Tm mapping法では13名で細菌反応が検出され、培養に比し優れた感度が示された。腹水中のIL-6 2137pg/mL、IL-1b 12.9pg/mL、IL-8 2.2pg/mLであり、腹水有核細胞中のM1マクロファージ0.15%、M2マクロファージ0.05%でM1/M2比1.91であった。腹水IL-6、IL-1bは腹水中WBC、LDHと強い相関があり、またIL-6はM1/M2と正の相関を示す傾向にあった。腹水中のサイトカインと腹水の再燃再発には関連がなかったが、腹水IL-1bは生存期間と関連がみられた。
IL-6は肝病態の進展、予後に大きく影響を及ぼすとされているが、今回の検討からSBPと診断される以前からIL-6が腹水中で増加しており、肝硬変患者の病態形成に影響を与えていることが示唆された。IL-6の産生源としては腹水中のM1マクロファージが考えられた。
Tm mapping法は従来の培養法に比し感度が良好であり、短時間で菌体の同定・定量が可能なことからSBPの診断、治療成績の向上に寄与することが期待される。また腹水中の菌体成分は腹腔内の炎症を惹起し、肝硬変合併症の発症に寄与する可能性が示された。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 腹水中のサイトカイン、マクロファージ解析からみた肝硬変の病態解析2023

    • Author(s)
      田尻和人
    • Organizer
      第59回日本肝臓学会総会
  • [Presentation] 新規遺伝子解析法を用いた特発性細菌性腹膜炎の診断の有用性の検討2023

    • Author(s)
      田尻和人
    • Organizer
      第109回日本消化器病学会総会
  • [Book] 外来で武器になる 総合診療のエビデンスをぎゅうっとまとめました2023

    • Author(s)
      西﨑 祐史、鋪野 紀好、上原 由紀、笠井 大、児玉 知之、原田 拓、水野 篤、三原 弘、横尾 英孝、横手 幸太郎
    • Total Pages
      404
    • Publisher
      メジカルビュー社
    • ISBN
      978-4-7583-2236-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

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