2021 Fiscal Year Annual Research Report
CDH17多型とそれに伴うスプライシング変異による短鎖タンパク質の機能解明
Project/Area Number |
20K08308
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堺 明子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60205698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 佐智夫 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30335624)
笹井 香織 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50722162) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵がん / カドヘリン / スプライシング変異 / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
カドヘリン17(CDH17)の短鎖型タンパク質は、肝がんの腫瘍部において特異的発現がみられ、患者の生命予後と関連することが報告されている(Wang, XQ et al., Clin. Cancer Res., 2005 and 2006)。肝がんにおけるCDH17の発現はそもそも異所性であることに加え、短鎖型CDH17は、遺伝子内の特定のSNPによってスプライシング変異が誘発され、早期停止コドンが出現することによるものである。膵がんにおいても上記SNPと発症との間に相関がみられることから、我々は、膵がんにおける短鎖型CDH17タンパク質の機能解析解明を試み、1)膵がん細胞におけるRNAおよびタンパク質レベルの発現を確認し、2)膜結合部位の欠損に伴い、短鎖型CDH17が培地中に遊離して分泌型タンパク質として機能しうることを明らかにした。3)作製したオーダーメイド抗体は、期待通り、短鎖型CDH17のみを検出した。4)短鎖型CDH17の発現実験では、明らかながん化促進能はみられなかったことから、5)膵がんではとくに重要である間質細胞の膵星細胞株hPSC-14を入手し、膵がん細胞との共培養条件での短鎖型CDH17の機能評価を試みた。 以上のように、短鎖型CDH17は、膵がん細胞で発現し、培地中に放出されることにより、膵がん発症のオッズ比を高めると考えられる。同タンパク質の間質細胞への影響を詳細に評価し、当初の目的に沿って、抗体アレイ解析によるシグナル経路の解明を予定していたが、申請者の退職により、本研究は2021年度で廃止となった。
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