2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K08312
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
阿久津 典之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50531191)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10305229)
仲瀬 裕志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60362498)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 時計遺伝子 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ヒト肝細胞癌における時計遺伝子発現の検討:肝細胞癌10症例の癌部および非癌部の組織よりRNAを作成しcDNAを合成。その後Comparative CT法を用いて相対的発現を解析した。Clock, Bmal1, Per1,Per2 Cry1の発現を癌部と非癌部で解析したところ、Per1およびPer2が癌部と非癌部で有意な発現の違いをあることが分かった。背景因子での違いがないかさらなる検 討を行っている。 2. 正常肝細胞および肝癌細胞株における時計遺伝子発現と炎症性サイトカインに対する反応:肝癌細胞株HepG2, Hep3B, HLE, HLF, HuH7, PLC/PRF/5のcDNAを用いて、Clock, Bmal1, Per1,Per2 Cry1の発現を解析し、細胞株間での発現に差があることがわ かり、Per1やPer2の発現が低い細胞株と、高い細胞株を用いて、種々の炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-4, IL-13, TNF-α, IFN-γ, IL-10, TGF-β)の添加を行 い、RNAおよびタンパクを回収。時計遺伝子の変化を解析している。 3. 分子標的薬の正常肝細胞および肝癌細胞株における時計遺伝子の発現と炎症性サイトカインに対する反応:肝癌細胞株 (Hep3B, HLF, HuH7)にレンバチニブ1μMを投与 し、37°Cで48時間培養した後に、時計遺伝子Bmal1、Rev-erbα、Rev-erbβ、Per1、Per2、 Cry1の 発現についてqPCR法、western blotting法を用い検討した 4,C57/BL6Jマウスを用い、抗癌剤投与の時間を変化し投与することにより概日時計の変化の検討:12時間毎の明暗群、24時間毎の明暗群に分けて、さらにそれぞれ明暗を切り替えた4群を準備。レンバチニブ10mg/kgを明で投与する群と、暗で投与する群に分けてチューブを用いて14日間経口投与し屠殺させ、肝臓における時計遺伝子の発現をqPCR 法、western blotting法で評価した。また、マウスの大腸より腸内細菌を分離し、各群の腸内細菌叢プロファイルの変化を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データが安定せず、肝癌細胞株実験のやり直しに時間を要した。現在、マウス実験による検討を行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
C57/BL6Jマウスを用い、レンバチニブを明で投与する群と、暗で投与する群 に分けて14日間経口投与する。マウスの大腸より腸内細菌を 分離し、各群の腸内細菌叢プロファイルを検討する。肝癌細胞株をヌードマウスに移植し、GFPマウスから単離したCD4, CD8陽性細胞を尾静脈から投与。レンバチニブを日中に投与する群と、夜間に投与する群に分けて経口投与したのちに屠殺し、移植された腫瘍の大きさ、腫瘍における時計遺伝子の発現、ならびに腫瘍周囲のリンパ球浸潤のphenotypeについて、免疫染色法ならびにフローサイトメトリーを用いて検討する。さらに有用な時計遺伝子についてノックアウトマウスを用いた検討を行う。
|
Causes of Carryover |
細胞株実験およびマウス実験に時間がかかっているため
|
Research Products
(19 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Positive Pattern Recognition System Using Alanine Aminotransferase, Type IV Collagen 7s, and E Value (Liver Stiffness) for the Diagnosis of Nonalcoholic Steatohepatitis Based on Natural History2022
Author(s)
Masayuki Tsujisaki 1 , Shigeru Sasaki 2 , Noriyuki Akutsu 2 , Takenori Takamura 1 , Tetsuyuki Igarashi 3 , Mitsuru Yoshimoto 1 , Hideto Itoh 1 , Yoshio Kurihara 4 , Hiroshi Nakase 2
-
Journal Title
JMA Journal
Volume: 5
Pages: 230-239
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Presentation] 術前に肝細胞癌との鑑別が困難であった肝血管筋脂肪腫の2切除例2022
Author(s)
加藤 透, 永山 稔, 木村 康利, 今村 将史, 久木田 和晴, 村上 武志, 水口 徹, 阿久津 典之, 佐々木 茂, 仲瀬 裕志, 竹政 伊知朗
Organizer
日本臨床外科学会
-
[Presentation] 陰茎転移をきたした膵尾部癌の1例2022
Author(s)
井澤 朋, 川上 裕次郎, 世戸 凌太, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 舛森 直哉, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
-
[Presentation] 5年の経過で消失した多発肝炎症性偽腫瘍の1例2022
Author(s)
浪岡 万由子, 阿久津 典之, 石上 敬介, 三浦 克予志, 平野 雄大, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 佐々木 茂, 永山 稔, 菅原 太郎, 長谷川 匡, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
-
-
[Presentation] 胆道鏡下生検検体で遺伝パネル検査を施行しえた切除不能胆嚢管癌の1例2022
Author(s)
越前 栄次朗, 川上 裕次郎, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 佐々木 茂, 杉田 真太郎, 櫻井 晃洋, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
[Presentation] FDG-PETを契機に診断に至ったIgG4関連消化管病変の1例2022
Author(s)
沼田 有斗, 川上 裕次郎, 越前 栄次郎, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 佐々木 茂, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
[Presentation] 難治性腹水を呈した全身性結晶蓄積性組織球症の1例2022
Author(s)
大原 成喜, 沼田 泰尚, 沼田 有斗, 谷口 正浩, 越前 栄次朗, 平野 雄大, 我妻 康平, 川上 裕次郎, 柾木 喜晴, 石上 敬介, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 佐々木 茂, 真柄 和史, 菅原 太郎, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
[Presentation] 転移性肺腫瘍に対するEUS-FNAにて診断した後腹膜原発の絨毛癌の1例2022
Author(s)
廣部 洋輔, 川上 裕次郎, 越前 栄次朗, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 佐々木 茂, 辻脇 光洋, 舛森 直哉, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
[Presentation] 治療困難肝内結石に対するSpyGlass DSを用いた胆道鏡下治療の検討2022
Author(s)
越前 栄次朗, 川上 裕次郎, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 室田 文子, 阿久津 典之, 本谷 雅代, 佐々木 茂, 仲瀬 裕志
Organizer
日本消化器病学会
-
[Presentation] 高齢者切除不能膵癌患者に対するGEM+nabPTX療法の有効性と安全性2022
Author(s)
大和田 紗恵, 室田 文子, 本谷 雅代, 我妻 康平, 沼田 泰尚, 川上 裕次郎, 石上 敬介, 柾木 喜晴, 阿久津 典之, 佐々木 茂, 仲瀬 裕志
Organizer
日本高齢消化器病学会