2021 Fiscal Year Research-status Report
サポウイルスのリソース確保および消化器感染増殖メカニズム解明のための研究
Project/Area Number |
20K08320
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
岡 智一郎 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (50356242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 弘隆 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (00332362)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サポウイルス / パレコウイルス / ヒト十二指腸細胞 / ウイルスリソース |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト十二指腸由来細胞(HuTu80)を用いてヒト糞便中のサポウイルスを効率的に増殖させる条件を見出し、初年度のGI.1, GI.2, GII.3に加え、GI.3,-4,-5,-6,-7, GII.1,-2,-4, -,5, 7,-8, GV.1, -2についても糞便中からのウイルス増殖、ウイルス継代、ウイルスストックの調製に成功した。糞便に依存しないウイルスリソース確保という本研究課題の目的を順調に達成している。さらにこの細胞がサポウイルスだけでなくパレコウイルス1-6型の効率的増殖・分離に有効であることも見出し、論文発表した。サポウイルスのリバースジェネティクス系についても検討し、感染性ウイルスを作出できることを確認した。ヒトサポウイルスの大量培養も実施し、一部の株について精製ウイルスを用いた特異抗血清の調製も実施した。複数のサポウイルス株とHuTu80を用いたCRISPR/Cas9によるゲノムワイドノックアウトスクリーニングを実施し、サポウイルスの増殖に関与する受容体になりうる細胞因子の候補を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヒトサポウイルスとして現在報告されている18の遺伝子型のうち、ほぼすべてとなる16種類の増殖・ウイルスストックの調製を達成できた。
複数のサポウイルス株とHuTu80を用いたCRISPR/Cas9によるゲノムワイドノックアウトスクリーニングを実施し、サポウイルスの増殖に関与する受容体になりうる細胞因子の候補を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で増殖が達成できていない残りのヒトサポウイルス(GII.6, GIV.1)株について、様々な条件を組み合わせ、増殖検討を続ける。効率的な増殖が達成できたヒトサポウイルス各遺伝子型株に対する特異抗血清を作成する。ヒトサポウイルス株の増殖に関与すると考えられる細胞側因子(受容体候補因子)について、ノックアウト、非感受性細胞への強制発現を実施することで、サポウイルス増殖能への影響を検証する。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが、令和4年4月1日以降となったため。当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和3年度分についてはほぼ使用済みである。
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