2020 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞脂肪変性における遊離アミノ酸の細胞内ストレス応答機構に与えるインパクト
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20K08322
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嘉数 英二 東北大学, 大学病院, 助教 (20509377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 晋 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20451560)
岩田 朋晃 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30803647)
井上 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (60455821)
小暮 高之 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (70400330)
二宮 匡史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (70583938)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 遊離アミノ酸 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で①脂肪肝モデルマウス(ob/obマウス)の空腹時門脈血中では野生型と比較して糖・脂肪酸は有意に高いが一部の遊離アミノ酸が低下していること②その中でL-Methionine (Met)とL-Tyrosine (Tyr)の低下が脂肪酸による肝細胞脂肪変性を増強させること③マウスを高脂肪・Met制限・Tyr欠損食餌(HFMRD diet)で飼育すると非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に近い表現型が得られることを明らかにした。本研究期間ではそのメカニズムを解析するために、肝細胞内の酸化ストレス応答(Keap1-Nrf2機構)・小胞体ストレス応答に注目し研究を展開した。高脂肪食では肝臓内の酸化ストレス(ROS)が増加するとともにNrf2(核分画)の発現が増加するのに対して高脂肪かつMet減量、Tyr欠損させた食餌(HF-MRTD)を与えるとNrf2の核内での発現が上昇しないことを見出した。Nrf2-Keap1を解離させるフマル酸のレベルがMet, Tyr除去により上昇しないことを明らかにした。これに対してNrf2を過剰発現するKeap1 KOマウスではHF-MRTDで飼育しても肝細胞脂肪変性を認めなかった。更に、Keap1 WT及びKOマウスの肝臓からオルガノイドを樹立しin vitroにおいてMet, Tyrの肝細胞に対する直接的影響を解析しin vivoと同様な傾向が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究期間で、肝細胞脂肪変性に酸化ストレス応答機構が関与していることを明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Met, Tyrが肝細胞脂肪変性に関与している代謝メカニズムを明らかにするため、肝細胞内のクエン酸回路中間体のレベルの解析を詳細に行う。また、転写因子Nrf2が肝細胞の脂質輸送蛋白への関与を明らかにする。
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Research Products
(2 results)