2020 Fiscal Year Research-status Report
Research for analysis of receptor gene used by hepatitis B virus
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20K08346
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
杉山 真也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 副プロジェクト長 (20612427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 受容体 / 生活環 / 感染モデル / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
シングルセル解析にて、HBV感染に感受性のある肝細胞とない肝細胞をヒト肝臓、初代培養肝細胞で比較することで、HBV感染に必要なヒト因子として、RECK遺伝子を同定した。その中で、RECKが細胞表面に発現していることから、感染に関わる受容体もしくはその補助因子であることが想定された。本年度では、その仮説を検証するために、ウイルス粒子の吸着実験、細胞内への取り込みに関わる過程を評価した。NTCP遺伝子はHBV感染に必要な受容体遺伝子であることが報告されており、我々でもその確認も行っているため、そのNTCPは維持したまま、RECK遺伝子の有無を評価した。遺伝子編集でのノックアウトにより、RECKの欠損細胞株を作成した。そこへHBV粒子もしくは、蛍光分子をつけたPreSペプチドを投与することで、その吸着を4度の条件で評価した。その後、37度へ移行させることで細胞内への取り込みを確認した。その結果、RECK存在下にて吸着と取り込みが亢進することを確認した。 続いて、RECKとNTCPの位置関係を明らかとするために、それぞれを蛍光で標識した蛍光観察を実施した。共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、隣り合う位置関係にあることが示唆された。これらのタンパクがお互いに結合しているかは今後評価を行う予定である。 また、今後の実験のために、マウス肝細胞株へヒトNTCP、ヒトRECKを安定発現させるコンストラクトの用意を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の発生により、新型コロナウイルス関連以外の研究が禁止された時期があったが、その後、その規則が緩和されたため、予定していた実験計画を概ね順調に遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
受容体として考えられている遺伝子のそれぞれの位置関係を明らかとする。それらの結合の状態を免疫沈降実験等で評価する。HBVのマウス肝細胞への感染は認められていないため、今回の候補遺伝子を発現させることでその改善が見込めるか確認する。感染ができれば、新たな感染モデルとして確立できる。一方で、この候補遺伝子の導入だけで感染が成立しない場合は、他にも不足している因子があることを示唆しているため、シングルセル解析のデータから細胞内の因子等を選択し、マウスでの簡易な感染モデルの確立を目指す。
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