2022 Fiscal Year Annual Research Report
miRNAによる食道扁平上皮癌の化学放射線療法感受性予測システムの確立
Project/Area Number |
20K08360
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大沼 啓之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60582997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 智洋 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00634669)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道癌 / 化学放射線療法 / 感受性予測 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
切除可能進行食道扁平上皮癌(ESCC)に対する化学放射線療法(CRT)施行症例の治療前癌組織の網羅的miRNA発現解析から得られた新たな効果予測マーカー候補miR-625-3pの発現変動を解析した.ドセタキセル,ネダプラチン,5-FU併用CRTを施行した前向きデータセットによる患者血清のmiR-625-3p発現を定量的PCRにて検討したところ,組織miRNA同様に感受性血清での発現亢進が確認された.さらに腫瘍組織FFPEでの発現レベルとの相関をSpeaman’s correlation解析にて検討し,正の相関を確認した.次いでin vitroにおけるmiR-625-3pの薬剤・放射線耐性に関する機能解析を行うべく,分化度の異なる5種類のESCC細胞株に対し,miR-625-3p mimicとinhibitorを導入し,ドセタキセル,ネダプラチン,5-FUを様々な濃度 で添加・培養,放射線感受性については細胞放射線照射器M100Wにて照射を行ない,MTT assayにて増殖抑制効果を検討したところ,ドセタキセル,5-FUおよび放射線照射において,miR-625-3p導入による増殖抑制効果が認められた.更にmiR-625-3pの標的遺伝子を探索すべく,オンラインソフトウェアmiRDBのtarget mining modeを用いてmiR-625-3pの標的遺伝子候補を解析したところ,上位20の標的遺伝子が抽出された.このうち食道癌の増殖や,癌の薬剤耐性への関与が報告されているMAP3K1に注目した.現在,直接的にMAP3K1をsiRNAにより阻害することで薬剤耐性が変化するか,および下流のシグナル伝達系分子,MKK4, MKK7, p38, JNKの発現変動を検討し,同miRNAがCRT感受性に関わる分子機構の解明を試みている.
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