2022 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内細菌叢を標的とした新規機能性ディスペプシア治療薬開発に向けた基盤研究
Project/Area Number |
20K08363
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福居 顕文 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60725307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00305575)
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70405257)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機能性ディスペプシア / 口腔内細菌叢 / Streptococcus属 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia: FD)は、疾患概念が明確になり、診断・治療に注目が集まっている。FD病態の責任臓器として十二指腸が重要であることが指摘され、FD患者では、①十二指腸粘膜において好酸球、脂肪細胞、マクロファージが増加し、十二指腸粘膜免疫異常がFD発症に関与していること、②十二指腸粘膜透過性が亢進し、tight junction(TJ)構成蛋白質の発現が変化していること、③十二指腸細菌叢の変化(dysbiosis)がおきていることが明らかになりつつあるが、FD病態における十二指腸粘膜バリア維持機構破綻・免疫異常の関与は解明されておらず、特に、粘膜関連細菌叢(Mucosa-associated microbiota: MAM )との関連についてはいまだ解明されていない。 本研究課題において我々は、口腔内ならびに十二指腸Streptococcus属を対象とした、種レベルの解析を行い、FD症状と強い相関を示す細菌は齲歯の起因菌とされるStreptococcus infantis種であった。また、FD患者では、本来口腔内細菌であるStreptococcus属が十二指腸MAM として定着しており、FDでは菌の定着を許す十二指腸粘膜環境に変化をきたしてることが明らかになった。これらの結果から、FD 患者の口腔内細菌叢解析が今後の重要なテーマであると考えられ、口腔内感染症を起因とする十二指腸の炎症応答を制御することがFD 治療に繋がる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)