2021 Fiscal Year Research-status Report
腸内フローラの破綻時の胆管障害における核内受容体CAR/PXRの役割
Project/Area Number |
20K08374
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山崎 勇一 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00582404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00431700)
植原 大介 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (70850139)
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
戸島 洋貴 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80807537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核内受容体CAR / 腸内フローラ / dysbiosis |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で原発性硬化性胆管炎のマウスモデルとも考えられている0.1%の3,5-diethoxycarbonyl-1,4-dihydrocollidine (DDC)含有食による胆管障害マウスにおいてCARは肝障害、胆管障害およびオーバル細胞増殖に関与していることを明らかにした。また、炎症性腸炎のマウスモデルであるDextransodium sulfate (DSS)腸炎マウスにおいてCARおよびPXRのリガンドが腸炎を軽減することを報告した。本研究ではDSSによる炎症性腸炎マウスに生じたdysbiosisを連続実験やFMTによりCAR/PXRノックアウトマウスに再現し、DDC含有食による胆管障害におけるdysbiosisの影響およCAR/PXRの役割について明らかにすることを目的としている。CAR/PXRのノックアウトマウスの繁殖状況が悪化し、以前マウスを提供した国内の共同研究施設からCAR/PXRのノックアウトマウスの再入手し、繁殖を再開した。漸く実験可能なマウスがそろい始めたため、実験を再開したが、コロナウイルス感染症の対応のためマウスを用いた実験は制限されている。本年度はCARノックアウトマウス、野生型マウスに加えてPXRノックアウトマウスを用いてDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの実験を開始した。糞便中の腸内フローラ(T-RFLPフローラ解析:テクノスルガラボ)を解析して比較検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
CAR/PXRのノックアウトマウスの繁殖状況が悪化し、以前マウスを提供した国内の共同研究施設からCAR/PXRのノックアウトマウスの再入手し、繁殖を再開した。漸く実験可能なマウスがそろい始めたため、実験を再開したが、コロナウイルス感染症の対応のためマウスを用いた実験は制限されている。また、終了予定であった基盤研究(C)(一般:肝前駆細胞を介した胆管上皮細胞増殖、胆管形成、再生における核内受容体CARの役割)のマウス実験を優先的に進めていたため、当初よりもかなり遅れてCARノックアウトマウス、野生型マウスを用いてDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの実験を開始した。現在PXRノックアウトマウスを用いてDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの実験まで進んでいるが、以前と同様の条件設定にもかかわらずDDS腸炎マウスの死亡が多く、再度条件の調整を行っている。コロナウイルス感染症の対応のためマウスを用いた実験はかなり制限されているだけでなく大学院生卒業、医員の転勤に伴い実験をサポートする人員が不足し、実験がかなり遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もコロナウイルス感染症の対応のためマウスを用いた実験はかなり制限されると予測されるが、次年度はDDS腸炎マウスの条件設定を行い、PXRノックアウトマウスを用いてDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの解析を中心に、PXR-KOマウス、野生型マウスの肝組織において、胆管障害をHE染色、免疫染色(EpCAM、CK19)、リアルタイムPCR、Western blotting法を用いてCAR及びPXRのシグナル、胆汁酸関連、dysbiosis関連シグナル、糞便中の腸内フローラを解析して比較検討を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の対応のためマウスを用いた実験は制限されているだけでなく、終了予定であった基盤研究(C)(一般:肝前駆細胞を介した胆管上皮細胞増殖、胆管形成、再生における核内受容体CARの役割)のマウス実験を優先的に進めているため、当初よりもかなり遅れてCARノックアウトマウス、野生型マウスを用いてDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの実験を開始し、現在PXRノックアウトマウスを用いててDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの実験まで進んでいるが、以前と同様の条件設定にもかかわらずDDS腸炎マウスの死亡が多く、再度条件の調整を行っているため実験が遅れている。今後もマウスを用いた実験はかなり制限されると予測されるが、次年度はPXRノックアウトマウスを用いたDSS腸炎→DDC胆管障害モデルの解析を中心に本研究を進めていきたい。
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