2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K08378
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大塚 和朗 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (00338443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クローン病 / 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは独自に構築したクローン病小腸粘膜評価法により小腸に病変が残存している症例が多いことを発見し、これに基づき小腸特異的な粘膜障害機構が存在する可能性を考え、本研究を立案・推進している。本年度は当初研究計画に従い、ヒトクローン病体外モデルの構築を進め、これに基づく同疾患における小腸上皮障害機構・粘膜治癒機構の解明を目的として研究を実施した。その結果、以下の様な成果を得ている。 1)クローン病小腸病変の粘膜治癒機構について、内視鏡を用いた独自のクローン病粘膜評価法に基づき、粘膜治癒との関係について検証を行った。この結果、血清におけるLRG濃度が小腸粘膜治癒の有無を反映するバイオマーカーとなり得ることが明らかとなった。一方、既存の生物学的製剤においては高い濃度を維持することが粘膜治癒の達成に必要であることが示された。 2)クローン病小腸病変より得られた内視鏡生検組織よりオルガノイドを樹立する際に適切な培養条件等について、再度検討を実施した。この結果、適切なマトリックスやWntアゴニストを用いることにより、効率的な培養が可能となる可能性が示された。本年度得られた知見を基に、独自の層別化を行ったクローン病患者由来の小腸オルガノイドについて、樹立と解析を進めることにより、炎症環境のみならず生物学的製剤による治療応答やLRG等の血清バイオマーカー等と小腸上皮障害維持機構・粘膜治癒を規定する因子がいかなる関係を有するのかが明らかとなることが期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初目的に則り小腸上皮障害及び粘膜治癒制御機構に関する知見が得られており、概ね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
独自の内視鏡的評価・分類に応じてクローン病患者由来の小腸オルガノイド樹立・解析を継続し、当初計画を推進する。
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Causes of Carryover |
小腸オルガノイド培養条件検討・オルガノイド樹立等が当初予定よりも順調に進展したため次年度使用額が生じた。次年度はより症例数等を拡大し解析を進める予定である。
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Research Products
(5 results)