2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるPolyadenylation関連遺伝子の検討
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20K08381
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
濱屋 寧 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20436968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転写後調節 / 3' 非翻訳領域 / 大腸癌 / Polyadenylation異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では転写後調節に関係する因子が大腸癌診療のバイオマーカーとなりえるか検討している。転写後調節に関連するバイオマーカーとしてmicroRNA(miRNA)やRNA結合蛋白があり研究が広くなされている。Alternative polyadenylation (APA)はmRNAの3' 非翻訳領域(UTR)が変化することをさすが、 3' UTRが変化しその短縮が起こるとRNA結合蛋白やmiRNAの結合部位が欠失するため転写後調節が変化する。そのためAPAもmiRNAと同様に転写後調節のバイオマーカーとして期待されている。APAはpolyadenylation関連因子の異常によりもたらされるが、基礎的および臨床的な検討は限られている。本研究で臨床検体と細胞株を用いてAPAが大腸癌のバイオマーカーとなりえるか検討している。過去の報告からNUDT21、PABPN1、PCF11がバイオマーカーとなりえると予測した。2021年度はNUDT21をノックアウトした大腸癌細胞株をCRISPR-Cas9システムを用いて樹立した。ノックアウトが難しい細胞はノックダウンの細胞を作成した。またPABPN1は抗アポトーシスに関連するBCL2L2と遺伝子を共有しノックアウトが不適切なためshRNAレンチウイルスベクターを用いたノックダウンの細胞を作成した。RNAシーケンスに提出しノックダウンした細胞でどのmRNAでAPAが起きているのか網羅的に検討している。 臨床検体は外科手術例を主としてステージIからIVの患者の新鮮凍結検体を採取し、mRNAとmiRNAの抽出を行っている。また手術検体をもちいて転写後調節に関係する因子を免疫染色で評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体を採取する際に高齢の方は家族への説明が必要なこともあった。外来受診時に説明と同意取得の説明を行ったがCOVID19感染の拡大が続き、来院制限のため同意取得が不十分であり検体採取が遅れた。 大腸癌細胞株のうちSW480細胞でのノックダウンとノックアウトの条件を定めることができず、別の細胞を用いることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
ご家族の方を含めた説明と同意取得が検体採取時に必要であり、引き続いてご家族が同席されている外来受診の際に診療に影響を与えない範囲で対応することにした。 NUDT21とPABPN1のノックダウン細胞を用いてそれらの発現低下によりAPAがおきているmRNAを検索しUTRに結合するmiRNAやRNA結合タンパクをふくめた転写後調節を検討する。その結果を参考にして、臨床検体でのmiRNAやAPAを検討し転写後調整が大腸癌のバイオマーカーとなりえるか研究する。
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