2022 Fiscal Year Annual Research Report
大腸T1癌術前転移予測とゲノムマーカーによる新たな内視鏡的根治判定基準の開発
Project/Area Number |
20K08385
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 志郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30403538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信治 広島大学, 病院(医), 教授 (00260670)
卜部 祐司 広島大学, 病院(医), 寄附講座准教授 (10648033)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸T1癌 / 浸潤 / 転移 / ゲノムバイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを用いて側方発育型大腸腫瘍を対象に発癌,浸潤過程でのゲノム変化の検討し浸潤・転移に関するゲノムバイオマーカーの検索を行った。 当院で加療したLST結節混在型21病変 [tubular adenoma(TA)4例,Tis癌 13例,T1b癌 3例,T2癌 1例を対象に各症例の結節と辺縁より計73個の組織を全エキソン解析し,公共データベースを用いて病的変異を同定した。同一症例で結節部と辺縁部の遺伝子変異を対比し,腫瘍のクローン進化を検討した。遺伝子変異量(TMB)は2.79±1.51/Mbで,10を超えるTMB-Hは認めなかった。遺伝子変異数と病理所見を比較するとドライバー変異数がTA, Tis癌, T1癌の順で有意に多かった。結節,辺縁に共通する変異を全症例で認め,共通する変異は,APCを20例(95%)で,9例(43%)は2nd hitも認めた。APCの変異を認めなかった1例にBRAFの変異を認めた。KRASの変異は16例(76%)に認めた。TA4例の結節では,クローン進化を認めなかったが,結節部がTis癌の13例は,p53経路の変異を2例,WNT/TGFB経路の変異を6例,RTK/RAS/MAPK経路の変異を4例に認めた。上記以外の経路の変異はMTOR 1例であった。3例の結節部にクローン進化を認めなかった。T1以深癌4例の結節部は,PIK経路の変異を3例,RTK/RAS/MAPK経路の変異を1例に認めた。またPIK経路の変異はT1以深癌以外で認めなかった。Tis癌の発生は WNT/TGFβ,p53,RTK/RAS/MAPK経路で発生し,最も頻度が高いのはWNT/ TGFβ経路であった。PIK経路はT1以深癌の発生に関与する発癌経路である可能性が考えられた。今後さらに浸潤・転移症例を増やして解析を行い転移に関連するバイオマーカーを検索予定である、
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Research Products
(3 results)