2021 Fiscal Year Research-status Report
最新オミクス解析法に基づく抗癌剤治療による心血管障害発症の分子病態解明研究
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20K08409
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川上 崇史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (10348641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 雅晴 産業医科大学, 医学部, 教授 (20445208)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍循環器病 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌治療において、抗癌剤療法後の心血管イベント発生に関わるリスク因子や、治療経過中のモニタリングに有用な指標(画像検査やバイオマーカーなど)、効果的な予防・治療法の確立は喫緊の課題である。本研究は、抗癌剤治療を受ける癌患者を対象として、1) 経過中に起こりうる心血管イベントの発症頻度、ならびに心血管イベント発症に影響を与える因子を調査すること、及び、2) 通常診療で得られる情報に加えて、患者サンプルを用いた統合オミクス解析を通じ、最新の検出法をいち早く応用することでCardio-Oncologyに関わる分子病態を詳細に解明すること、を目的とする。 Cardio-Oncologyという概念が昨今話題となっているが、本研究のように患者サンプルを用いた統合オミクスによる分子病態解明研究は新規性が高い。本研究チームは国内最大の血管病バイオバンクを保有しており、研究基盤も確立している。また、本研究では心血管イベント合併の有無が、内的要因(ゲノム等)のみでなく、環境・生活情報等の外的要因も絡み合った”複雑系疾患概念”として規定されると仮設し、Cardio-Oncologyの概念自体を見直して再構築しようとするものである。 これまでに、乳癌患者を中心としてサンプル(DNA/RNA/血清/血漿)の収集を進めている。また、乳癌患者に対する抗癌剤治療後の心機能を、心エコーやバイオマーカーにて評価し、心機能低下を事前に予想する有効な臨床的指標を絞り込んでいる(論文化進行中)。心血管イベント合併の分子病態機序に迫るための血漿・血清中のサイトカイン濃度の測定等を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体収集や臨床データ収集、および、それらを用いた統計解析により新しい知見を得ており、論文化にも着手している。サイトカイン濃度の測定等も進展している。よって、研究進捗はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
収集検体を用いたオミクス解析を行い、心血管イベント合併の分子病態機序に迫る。心血管イベント発症者を早期に予測可能なバイオマーカーの探索等により、発症の前兆を捉える低侵襲な指標を探る。臨床情報との相関や関連性を多面的に検討し、抗癌剤治療による心血管イベント発症の予防に繋がる包括的提言を行う。
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