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2022 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of the regulation mechanism of CHK1 by Mule during myocardial stress response

Research Project

Project/Area Number 20K08410
Research InstitutionKanazawa Medical University

Principal Investigator

竹田 健史  金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教 (90340009)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
KeywordsMule / AGEs / CHK1
Outline of Annual Research Achievements

本年度はMuleやその基質における糖化ストレス応答を調べた。高血糖状態や条件下では、グルコース、グルコースの代謝中間体やその分解物などが細胞内蛋白質と非酵素的に結合して終末糖化産物(AGEs)が生成される。様々なAGEsのうち、フルクトースおよびグルコース代謝の中間体であるグリセルアルデヒド(GA)由来のAGEs (TAGE) は強い細胞毒性を示し、その細胞内蓄積は心筋細胞や心線維芽細胞を含め、様々な細胞死を誘導することが過去に報告されている。
今回、GA投与によってCHK1凝集体の蓄積が観察され、CHK1がTAGE修飾の標的となり、その機能を喪失することが細胞死を誘導する一因である可能性が考えられた。一方、GA刺激によるCHK1変異体の分解には、Muleのノックダウンによる効果は認められず、凝集体形成も抑制しなかった。したがって、CHK1変異体の糖化刺激に依存した分解機構にはMuleは関与しないと考えられた。
驚いたことに、MuleもGAによる糖化刺激の影響を大きく受けることが今回明らかとなった。GA投与によるMuleの減少が、その迅速な分解の結果であるのか、それとも糖化したMuleが高分子複合体を形成した結果、消失したように見えるのかは明らかにできなかった。その理由は、Muleが約460kDaという巨大な蛋白質であるために、Muleが糖化によって分子間架橋を形成し始めると、1000kDaを超えるサイズとなるため、通常のウェスタンブロット解析においては、このような高分子蛋白質のPVDFメンブレンへの転写効率が極端に低下してしまうためである。Muleのような巨大なユビキチンリガーゼには、糖化修飾のターゲットとなるリジンやアルギニン残基が豊富に存在するために、その修飾を受けやすいと考えられるが、MuleのGAによる糖化修飾の影響に関しては今後さらに詳細な解析が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

遅れている大きな理由は、コロナ禍によりこれまで定期的に入手可能だった免疫沈降に優良な海外メーカー製の抗体の欠品や、タンパク吸着を抑えた表面加工を施したローバインディング仕様の フィルターチップなどの消耗品入荷の遅延である。特に、今回の免疫沈降実験の結果に大きく影響する特異性の高い抗V5タグ抗体ビーズが途中で納入未定となり、使用実績のない代替品への変更を余儀なくされたため、その後の抗体のクオリティー チェックや条件変更に予定外の時間がかかった。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定から変更し、心筋細胞や肝細胞の細胞内で蓄積したAGEsが細胞死を誘導するという過去の複数の報告から、AGEsの中でも毒性の高いTAGE蓄積がMuleとその基質であるCHK1変異体に及ぼす影響を調べることとした。今回、GA投与により、CHK1変異体の迅速な分解が誘導され、同時にMuleの挙動も変化することがわかった。今後はそれらの経路に関わるシグナル伝達系を解析し、Muleの糖化修飾とCHK1変異体の迅速な分解に関わる細胞内経路を明らかにしていきたい。

Causes of Carryover

コロナ禍による物品入手の遅延、欠品等の不測の事態により、当初計画していた免疫沈降サンプルの精製と網羅的な質量分析によるMule結合因子の同定と、同定した因子のsiRNAによるノックダウン効果を解析する研究から変更を余儀なくされた。AGEsの代謝中間体であるGAを細胞へ投与して細胞内AGEsを蓄積させると、CHK1変異体の迅速分解とMuleの挙動が変化するという想定外の発見から、この糖化応答経路を探索する実験を行うことにした。今後、我々がすでに保有している独自のGA-AGEs(TAGE)抗体を用いて、GA刺激で形成される分子間架橋タンパク質(CHK1やMule?)の網羅的な同定と、その分解経路の解析を行う予定である。

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Published: 2023-12-25  

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