2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンスを用いた致死性不整脈の新たな原因遺伝子の探索
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20K08420
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
八木原 伸江 新潟大学, 医歯学総合研究科循環器内科, 客員研究員 (70750347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光希 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40600044)
南野 徹 順天堂大学, 医学部, 教授 (90328063)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 不整脈 / 次世代シークエンス / 原因遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
致死性不整脈や、不整脈を合併した遺伝性の心筋症等の心疾患症例を中心として、心筋細胞に発現するイオンチャネルやその修飾タンパク、心筋の発生や維持にかかわる転写因子やmicro RNA等をターゲットとする独自で構築した次世代シークエンスのパネルを用いて遺伝子解析を施行している。すでに得られている結果に関しては、既報の変異が同定された症例については除外する作業を行っている。既報の変異が同定されなかった症例に関して、各疾患における原因遺伝子の新規の変異が同定されたものはさらに除外している。既知の原因遺伝子に変異が同定されなかった症例について、アミノ酸の置換や、塩基の欠失および挿入を伴う変異を病原性候補変異と考え同定していく。 同定された新規の変異に関しては、同じ疾患の複数の症例に共通する遺伝子を原因遺伝子である可能性が高い遺伝子と考えて解析している。また、心筋のイオンチャネル遺伝子については、コーディング領域のみでなくプロモーター領域や、エクソンに近接するイントロン領域のシークエンスも次世代シークエンスの手法を使用して解析を行っているため、これらの領域の変異に関しても同定していく予定である。 個々の症例に関して、臨床所見(家族歴、不整脈の種類や発作時の状況、心電図の特徴等)の詳細と、同定された変異との関連について解析をおこなっている。疾患の発端者のみでなく、家族の症例を増やすことにより、より疾患と変異との関連を深く解析することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次世代シークエンスが終了した症例のデータに関しては、変異の部位の確認のシークエンスを医局内のシークエンサーを用いてサンガー法でリシークエンシングを行っていたが、同シークエンサーの故障により学内の他施設にシークエンサーを借用したが、以前医局で使用していたシークエンサーと異なる機種であり、シークエンス用の試薬も異なるため、調整に難渋してリシークエンシングがうまくいかないことが多くなってしまった。そのため、次世代シークエンスで同定された変異の確認作業が滞ってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
病原性を持つと考えられる候補の変異については引き続きサンガーシークエンスで確認を行っていく。家族内で同様の表現型を示す症例については、シークエンスを行った症例以外の家族にもサンガーシークエンスを行い、変異の有無と不整脈や心筋症の関連について検討していく。 不整脈や心筋症の新たな原因遺伝子と考えられる変異に関しては、変異を導入した心筋培養細胞、遺伝子組み換えマウスを用いて機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が続き、オンラインの学会が多く、旅費にかかる費用が想定以上に少なかった。
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