2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of coronary atherosclerotic plaque and phosphorus metabolism biomarker for predicting the advancement of calcified nodule
Project/Area Number |
20K08429
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 真言 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50631339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 能彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30250260)
佐藤 匠徳 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 佐藤匠徳特別研究所, 所長 (60548759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 冠動脈石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈石灰化は心血管イベントの発症に強く関与している。なかでも血管内腔へ突出する石灰化は石灰化結節(Calcified nodule; CN)と呼ばれ、急性冠症候群(ACS)の成因 の一つとして考えられている。生体内のCNは光干渉断層法(OCT)でのみ検出可能であり、これまでのOCTを用いた研究からCNは透析患者や高度石灰化病変に高頻度に観察されること、CNを有する患者の予後が不良であること、徐々に増大し心筋虚血やACSを発症するCNが存在することがわかった。しかし、どのような因子がCNの進行に関与しているのかは明らかではない。冠動脈石灰化生成には血管平滑筋細胞におけるリンの取り込み増加が重要であり、リンの恒常性維持に必要なのが線維芽細胞増殖因子23(FGF23)である。分担研究者の佐藤は、最近FGF23依存性に、耳下腺より分泌され、リン代謝に関与する新規タンパク質(PRPs)を発見した。この分子は腎機能低下症例で発言が低下し、新たなCa-P代謝制御因子あるいはバイオマーカーとしても注目されている。本研究の目的は冠動脈CTやOCTを用いて、冠動脈石灰化およびCN進行とリン代謝バイオマーカーとの関連を調査することである。 令和3年度は昨年に引き続き、冠動脈CTもしくOCTが実施された患者を登録し、研究に参加いただいた患者から血液、尿、唾液を採取しリン代謝関連バイオマーカー測定用に検体を保存している。また、数例ではあるが保存検体からFGF23,と可溶性Klotho蛋白の測定も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度も昨年に引き続き、研究対象患者の登録をすすめているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で本研究における唾液採取という側面から登録開始が大幅に遅れている。登録が可能になった令和3年1月からまず冠動脈CTが実施された患者の登録を開始し、十分な感染対策を行って現在までに157例の患者を登録しPRP測定用の唾液検体を保存している。そのうちOCTが実施された患者は34例であり、まだ十分な症例数が登録できていないのが現状である。令和3度も新型コロナウイルス感染による病床数削減の影響から待機的冠動脈造影検査目的で入院する患者が少なくなっておりOCTが実施された患者の登録が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で症例登録が大幅に遅れている。引き続き冠動脈CTが実施された外来患者を積極的に登録していき、そのなかで冠動脈造影検査が実施される患者に対して積極的にOCTでの石灰化病変の観察を行うようにしていく。今後、新型コロナウイル感染も縮小し、病床数削減も解除されれば今まで以上に多くの患者を登録できると予想される。
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Causes of Carryover |
購入予定の消耗品を使う段階になかったため、翌年度へ繰り越し、必要な際に使用予定。
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