2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of coronary atherosclerotic plaque and phosphorus metabolism biomarker for predicting the advancement of calcified nodule
Project/Area Number |
20K08429
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 真言 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50631339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 能彦 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30250260)
佐藤 匠徳 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 佐藤匠徳特別研究所, 所長 (60548759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 冠動脈石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈石灰化は心血管イベントの発症に強く関与している。なかでも血管内腔へ突出する石灰化は石灰化結節(Calcified nodule; CN)と呼ばれ、急性冠症候群の成因の一つとして考えられている。冠動脈石灰化生成には血管平滑筋細胞におけるリンの取り込み増加が重要であり冠動脈石灰化およびCNの進展機序を解明するうえで意義の深い研究であると考えている。 本研究では冠動脈CTや光干渉断層法(OCT)を用いて、冠動脈石灰化およびCN進行とリン代謝バイオマーカーとの関連を調査することを目的としている。 本研究は令和4年6月に登録を終了した。登録期間中は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、研究開始が大幅に遅れたことと入院患者数も制限されたことから予定していた登録患者数を達成できなかった。最終的には冠動脈CTを実施した症例が145例でうちOCTによる観察ができた症例が29例であった。これらの症例に対して血液、尿、唾液を採取しリン代謝関連バイオマーカー測定用に検体を保存した。現在はこれらの症例に対して2年後の追跡冠動脈CTによる評価を行い、冠動脈石灰化の重症度、冠動脈石灰化の進行、およびCN病変とリン代謝バイオマーカーとの関連を調査、解析していく予定である。 また、本研究の目的の一つである冠動脈CTを用いたCN病変の検出方法を構築する件に関しては今回の症例数では検討が困難であることから、過去に奈良県立医科大学で冠動脈CTとOCT両方が実施された患者138例を対象とし検討を行った。その結果、標的血管の石灰化スコア(162以上)、石灰化ボリューム(20.1 mm3以上)、および標的血管の最大石灰化面積(4.51 mm2以上)によりCN病変を鋭敏に検出できることを報告した(Sugiura J, Watanabe M, et al. Sci Rep. 2022;12:22296.)。
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