2023 Fiscal Year Research-status Report
急性冠症候群に対する高精細冠動脈CT、冠動脈イメージングと吸引血栓の病理学的検討
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20K08437
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
尾崎 行男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50298569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皿井 正義 藤田医科大学, 大学病院, 病院教授 (10298531)
谷澤 貞子 藤田医科大学, 医学部, 客員教授 (30308902)
河合 秀樹 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30778361)
村松 崇 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40783759)
渡邉 英一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80343656)
井澤 英夫 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80402569)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 急性冠症候群 / 急性心筋梗塞 / 光干渉断層像 / 血栓形成 / 病理組織 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性冠症候群(ACS)のメカニズムとしては、プラーク破綻、びらん、カルシウム結節がその原因とされている。しかしながら近年、マクロファージとくにM1/M2マクロファージの役割に注目が集まっている。今回冠動脈病変を詳細に検討できる光干渉断層像(OCT)と、吸引血栓のHematoxylin-Eosin 染色やMovat Pentachrome 染色などの通常染色に加え、CD 68、CD 168、CD 34などの存在を免疫染色により明らかにし、M1/M2マクロファージの分布と役割を、in-vivoのOCT画像と、免疫組織学的診断との比較検討を行い、今まで十分明らかにはされて来なかったACSのメカニズムと血栓性状・形成との関連を検討することを目的に本研究を企画した。 急性冠症候群(ACS)に対する高精細冠動脈CT、OCTなどの冠動脈イメージングと吸引血栓の免疫染色を含む病理学的検討においては、1) 急性心筋梗塞患者(AMI)患者160例を対象とし、血栓吸引の後、PCI施行前に、OCTを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行う。2) 吸引血栓組織を、世界で初めてプラークびらんを提唱したイタリアパビア大学の病理学者Arbustini 教授により、血栓吸引組織の病理学的診断を、通常染色に加え、マクロファージ (CD 68, CD 164, CD 34)を対象とした免疫染色も施行し、M1およびM2 マクロファージを同定し、OCT診断との比較検討を行い、今まで十分明らかにはされて来なかったACSのメカニズムをマクロファージの側面からも明らかにするため研究を進めている。初期のデータ解析では大変興味深いfindingsを掴むことができているものの、昨今のCOVID-19の影響を受け、症例登録ペースの低下に伴い、研究期間が延長しているが、研究成果は期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により研究には遅れが生じている。 本研究においては、当初 急性心筋梗塞(AMI)患者200例を対象とし、血栓吸引の後、PCI施行前に、OCTやIVUSなどの冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行い、吸引血栓の病理診断との比較検討も行い、ACSのメカニズムと血栓性状・形成との関連を詳細に検討する予定であったが、COVID-19感染症蔓延の影響により、急性冠症候群患者の受診抑制やカテーテル室の数々の制限により、血栓吸引の後、PCI施行前に、冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行ことが困難なっている。 また、プラークびらんの権威であるイタリアのArbustini教授らにコンサルトしながら明らかにする (Arbustini E, et al. Heart 1999)予定であったが、イタリアパビア大学での検討が海外との交流の困難さにより、開催できず、研究の進捗に大きな影響が出ている。ただ、最近はこの傾向は改善してきており、研究は再開されている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染症の影響も改善しつつあり、今後は症例のエントリーペースを上げるとともに、follow-up dataの集積を図り、研究を着実に進めて行く。また。イタリアのArbustini教授らとの交流を再開し、研究のペースアップに努めたい。
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Causes of Carryover |
昨年までCOVID-19感染症による、適切な症例の受診抑制、重症用病院ベッドの数の限定、カテーテル室の制限により単位時間あたりに治療しなければならない患者数の増加などにより、血栓吸引の後、PCI施行前に、OCTやIVUSなどの冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行うという、むしろ時間のかかる手技を行いにくくなっているのは事実であるが、症例数を減らしてでも本研究に適した症例に対しては、堅実に症例を集めて行きたい。また。イタリアのArbustini教授らとの交流ようやく今年から再開することができ、今後は研究の進行に努めたい。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Geographical Variations in the Effectiveness and Safety of Abbreviated or Standard Antiplatelet Therapy After Percutaneous Coronary Intervention in Patients at High Bleeding Risk2024
Author(s)
Ozaki Y, Hong SJ, Heg D, Frigoli E, Vranckx P, Morice MC, Chevalier B, Onuma Y, Windecker S, Di Biasi M, Whitbourn R, Dudek D, Raffel OC, Shimizu K, Calabro P, Frobert O, Cura F, Berg JT, Smits PC, Valgimigli M.
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Journal Title
Can J Cardiol
Volume: S0828-282X(24)
Pages: 00080-1
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Comparison between optical coherence tomography-guided and intravascular ultrasound-guided primary percutaneous coronary intervention for ST-segment elevation myocardial infarction2024
Author(s)
Matsuwaki Y, Muramatsu T, Ozaki Y, Uwatoko T, Toriya T, Takatsu H, Yoshiki Y, Yoshinaga M, Ishikawa M, Ohota M, Ota H, Izawa H
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Journal Title
Fujita Med J
Volume: 10
Pages: 16-23
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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