2021 Fiscal Year Research-status Report
二次性MRに対するカテーテル修復術のレスポンダー同定と費用対効果分析
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20K08440
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
天木 誠 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (70366194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 健介 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (10514862)
山野 哲弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20572358)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 費用対効果 / カテーテル治療 / 二次性僧帽弁閉鎖不全症 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全では左室・弁輪拡大ならびに弁尖の牽引から接合不全を来たし、二次的に弁逆流が発生する事がある。低左心機能に併発する二次性僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation; MR)は心不全再発の増悪因子であり、併発すると予後不良であることが知られている。 弁膜症への治療はこれまで手術のみが根本的な治療であったが、近年のデバイス進化によりカテーテル治療へと大きくシフトしている。近年臨床応用された低侵襲カテーテル治療マイトラクリップは、心不全に併発した二次性MRに対して行う事で薬剤単独治療に比較して心不全入院および全死亡をも抑制することが証明されている。 一方で治療後も心不全再発が1年で35%も認め、治療後も症状改善を認めない患者が存在する。またカテーテル治療はデバイスの費用が高く、薬物療法と比較して高価な治療であり、それに伴いコストがかさむことも問題視されてきている。高価でも十分な医療効果が得られることを証明する、費用対効果が求められている。本研究の目的は僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル治療の費用対効果を明らかにすることにある。 我々の施設および共同研究施設である京都府立医科大学では年間70例ほどの僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル治療を行っている。 当院でこれまで行われた二次性MR64例のなかでマイトラクリップ治療症例をみても、25%の症例で十分なMR制御が得られていながら血行動態が改善しない症例が存在した。非改善群では血行動態改善群との比較で、カテーテル検査で得られた肺動脈楔入圧v波が有意にで低値であった。一方でその他の患者背景は心エコー指標を含めて有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、患者登録については多施設で行うため電子登録を検討していたが、予算が研究費ではまかなえないこととなり断念している。現在紙ベースでの入力方法を検討している。また費用対効果に対する最適な評価方法が決定していない。当初はQOLの指標としてEQ5D5Lを使用する予定であったが、他の研究で十分な症例数を集めないと客観的な評価が難しいことが明らかになった。また、対象患者が高齢であることもQOL指標を正確に測定することを困難にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
少数の症例数でもQOLを評価しうる指標がなにかを同定し、変更することを模索中である。また費用に関しては実際のかかった費用をDPCから抽出する方法を医療事務と協議中である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会参加がWebとなり、旅費等の支出が減ったため、次年度物品等に使用する予定
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