2021 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of neutrophil extracellualr traps (NET) and monocyte adhesion in atherosclerotic lesion formation.
Project/Area Number |
20K08442
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大坂 瑞子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (00581711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好中球 / ヒストンシトルリン化 / 好中球細胞外トラップ / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化症モデル動物であるLDL受容体欠損(LDLR-/-)マウスに高脂肪食摂取を行い、末梢血より好中球を採取して好中球細胞外トラップ(NET)形成を免疫染色によって検討した。このマウスではNETの一つの形態であるヒストンシトルリン化が観察されたが、細胞外へのクロマチン構造の放出は見られなかった。また、血管内膜への単球接着は動脈硬化巣形成において重要な役割を果たす。そこで、ヒストンシトルリン化を制御しているペプチジルアルギニンデイミナーゼ4を欠損したLDLR-/-マウス(LDLR-/-Padi4-/-マウス)を作製して、高脂肪食を12週間負荷して大動脈における動脈硬化巣形成を確認したところ、動脈硬化巣形成に変化は見られなかった。先行研究では、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ4に対する阻害剤の投与によって大腿動脈に対する好中球接着が抑制される結果が得られていることから、好中球シトルリン化は血管内膜に対する接着現象に関与することが明らかであるが、動脈硬化巣形成には関与していない可能性が考えられた。一方、LDLR-/-マウスに対する好中球特異的抗体の投与による好中球消去下では、動脈硬化巣形成の減弱が確認されたことから、好中球は動脈硬化巣形成おいて重要な役割を果たすことが考えられた。これらの結果から、動脈硬化症モデルマウスでは好中球シトルリン化ではなくそれ以外の好中球の変化が単球接着に関与する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シトルリン化ヒストンは抗シトルリン化ヒストン抗体によって検出されるが、生体内で核 内タンパクを抗体で認識させるのは現状では難しいため、in vivo imagingによるシトルリン化好中球の観察は困難を極めている。さらに、CCR2を蛍光標識することにより単球の機能に影響が生じる恐れがあることから、単球接着の可視化については他の方法で行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスから採取したシトルリン化好中球を別マウスに移植して接着現象を生体内顕微鏡で観察する。移植されたマウスの単球接着は蛍光標識された抗CCR2抗体を使って可視化を試みる。さらに、単球消去処置を行ったマウスに同様の処置を行うことで、シトルリン化好中球の単球接着に対する関与について検討を行う。 また、シトルリン化好中球の移植によって単球接着が亢進した場合は、シトルリン化好中球での遺伝子発現について検討するためにRNAseqを行い、単球接着におけるシトルリン化好中球の役割の詳細を検討する。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスの作製が行われなかったため。次年度他の方法を試みる。
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Research Products
(11 results)