2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K08448
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山口 修 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90467580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 潤 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (70512169)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / 分解 / オートファジー / リソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはリソソーム酵素であるDNase2の欠損によるオートファジー性分解完遂の阻害が炎症反応を介して心不全を誘導することに着目し、『心不全はリソソーム病の一つである』との仮説を本研究課題で提唱し研究に当たった。本年度は心不全モデル動物を用いたsnRNAseq解析および空間的解析を実施し、血行動態的負荷が心肥大から心不全をもたらす機構に関して新たな知見を見出し、論文投稿準備中である。これまで、本研究課題では心不全病態モデルとして新たにo-リングを用いた簡便かつ安定的な圧負荷モデルを開発し、論文報告した(Sci Rep. 2022;12(1):85)。このモデルでは横行大動脈にo-リングを用いることで、安定的な心肥大誘導並びに心不全誘導を行えるものであり、海外を含めた多くの研究機関から問い合わせを受けるなどインパクトは大きかった。この新たな心肥大および心不全病態モデル動物組織を用いて、TFEBなどのリソソーム関連因子を含めた遺伝子発現についてRNA-seq網羅的解析を実施し、心肥大から心不全への以降に際してTFEB発現量が変動することが明らかとなった。また同解析データを用いて、オートファジーおよびmitopahgyに関するパスウェイ解析を実施した。また、オートファジー抑制因子Rubiconの心不全発症における機能解析を終了し、論文報告しを行った(Sci Rep. 2022;12(1):41)。Rubiconは心負荷時におけるベータ受容体のリサイクリングに関与しており、Rubiconの欠損によって圧負荷後のベータ受容体内在化後の再発現が抑制され、結果的に心不全が誘導されることを明らかにした。すなわちRubiconはベータ受容体の分解機構に関わり心保護的に機能していることを解明した。
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Research Products
(3 results)