2020 Fiscal Year Research-status Report
SERCA治療介入による心不全患者に投与可能な抗不整脈薬の研究、開発
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20K08461
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
矢田 浩崇 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 教授 (60338051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 慎介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90398628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心室性不整脈 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在はSKI(SERCA C674S mutant Kock-in Mice)マウスに対するアンギオテンシン(ANG)IIとHypoxiaによる研究を行っている. AngII負荷においては不整脈誘発の実験を行った。1週間のAngII皮下ポンプ負荷では左室収縮能力は低下しないものの、電気生理学的検査でVTが多く誘発された。Caトランジエント、スパーク、カフェイン実験を行うと、筋小胞体からのCaスパークの増加とSRのCa枯渇、ピークCaトランジエント(F/Fo)の低下を認めていた。SERCA機能不全は左室収縮能と関係なく、Caハンドリング異常を介して不整脈を増加させることが確認でき、欧州不整脈学会(EHRA 2020.4)においてYIA basic research部門に選出され高い評価を受けた。 また、我々は酸素環境下における、低酸素暴露肺高血圧モデル(HXPH)におけるSKIの右室肥大についても実験を施行しており、4 週間 10% HXPHを行なうと、WT、SKI とも HXPH で同等の右室収縮期圧上昇と肺動脈リモデリングを認めたが、Fulton Index(RV weight/IVS+LV weight)がWTと比較してSKIで高くなっており、HXPH環境下においてよりSKIで右心肥大を認めた。右室単離心筋 CaトランジエントはピークCaトランジエント(F/Fo)の低下およびTime to 50% relaxation (T50)の延長を認めており、Caハンドリング異常による右心不全についても検証しており、以下学会で報告した。 また、不整脈の解析方法の確立も行っている。オプティカルマッピングの新たな観察方法および解析方法の確立も同時に行っており、ex vivoにおける心室性不整脈の観察をより詳細に解析できるよう研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進行しているが、主研究者の所属機関(国際医療福祉大学三田病院、東京都港区)が変更となった。それによりSKIマウスの研究を主に行っている防衛医科大学校への移動が困難になり、かつ都心部における頻回の緊急事態宣言が定期的な実験を困難にしつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染拡大に伴い実験の遂行が一部困難になっているため、実験助手を使ってより研究を円滑に行う。 新たな不整脈の解析ソフトを導入し、円滑な解析を行う。 防衛医科大学校において小動物用心エコーの導入が済んでおり、これを用いたSKIマウスの左室拡張能解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大に伴い、学会がほぼオンライン参加となり旅費が必要なくなった。 また、主研究者の所属変更に伴い、実験の中断期間があり、本年の想定額を大幅に下回る使用額になった。 今後、不整脈解析に必要な解析ソフト、機器、試薬購入を予定しており、来年度の使用額は増える予定である。
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Research Products
(3 results)