2022 Fiscal Year Research-status Report
スプライシング制御因子Rbm20変異による心臓病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K08467
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井原 健介 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (50770210)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 拡張型心筋症 / RNA顆粒 / 心房細動 / RBM20 |
Outline of Annual Research Achievements |
スプライシング制御因子RBM20の変異はその機能喪失によりタイチン(TTN)遺伝子などの標的遺伝子のスプライシング異常を介して拡張型心筋症(DCM)を生じるとされてきたが、我々はRBM20変異によるDCM症例において変異が集中するRSRSP配列がRBM20の核移行に重要であり、RSRSP配列の変異はRBM20の核移行能の喪失をもたらし細胞質において凝集体を形成し機能獲得することがDCM発症やその不整脈原性(特に心房細動)に重要であることを報告してきた。昨年度までにRBM20に対するRNA免疫沈降実験を行い細胞質の変異型RBM20凝集体がRNAを内包していることを確認したが、当該年度においてはRNA免疫沈降で得たmRNAを用いて網羅的解析を行った。RNA免疫沈降で得たRBM20結合RNAおよびRbm20 KIマウス心臓における発現変動遺伝子を比較検討したところ、発現低下遺伝子うち約半数がRBM20結合RNAにenrichされている一方で、発現増加遺伝子のうちRBM20結合RNAは約2割にとどまり、RBM20と結合するRNAは遺伝子発現低下を示しやすいと考えられた。この所見は昨年度までの検討でのRBM20と細胞質において結合すると考えられるコネキシンの遺伝子発現低下をきたす所見に一致すると考えられた。また、これまでの検討から変異型RBM20凝集体は細胞質においてmRNAを内包するRNA顆粒と考えられるが、生理的に細胞質においてRNA代謝を司るRNA顆粒としてP-bodyが知られている。変異型RBM20凝集体とP-bodyの関係性を調べるために免疫染色を行ったところ、凝集体とP-BodyマーカーであるDDX6が共局在していることがみとめられ、変異型RBM20はP-bodyに局在しそのRNA代謝に変容をきたし、DCM発症や心房細動発症に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心房特異的Rbm20S637A発現マウス系統の解析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
心房特異的Rbm20S637A発現マウスの作成は完了しており、今後その解析を行いin vivo/in vitro両面から変異型RBM20の心不全・スプライシング異常に依らない心房細動病態形成への直接的な寄与を検討する。
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Causes of Carryover |
心房特異的Rbm20S637A発現マウス系統の解析に時間を要しており、その解析を次年度に計画したため、その解析に関する費用と最終的な論文掲載料を次年度使用額として計上した。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] I536T variant of RBM20 affects splicing of cardiac structural proteins that are causative for developing dilated cardiomyopathy.2022
Author(s)
Yamamoto T, Sano R, Miura A, Imasaka M, Naito Y, Nishiguchi M, Ihara K, Otani N, Kominato Y, Ohmuraya M, Karangi H, Nishio H.
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Journal Title
J. Mol. Med.
Volume: 100
Pages: 1741-1754
DOI
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[Journal Article] Systemic DNA/RNA heteroduplex oligonucleotide administration for regulating the gene expression of dorsal root ganglion and sciatic nerve.2022
Author(s)
Kaburagi H, Nagata T, Enomoto M, Hirai T, Ohyagi M, Ihara K, Yoshida-Tanaka K, Ebihara S, Asada K, Yokoyama H, Okawa A, Yokota T.
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Journal Title
Mol. Ther. Nucleic. Acids.
Volume: 6
Pages: 910-919
DOI
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