2022 Fiscal Year Annual Research Report
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの心不全発症・進行機序解明と治療法の開発
Project/Area Number |
20K08470
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平田 拓也 京都大学, 医学研究科, 助教 (10800899)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Duchenne型筋ジストロフィー / 心不全 / Autophagy |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の心不全の発症機序について細胞死に着目し、iPS細胞から分化させた心筋細胞を用いて、イソプロテレノールの負荷(iso負荷)を行いWST-8アッセイを行ったところ、iso負荷群で細胞活性の有意な低下が示された。既報のアポトーシスとの関連をTUNEL染色、アネキシンVを用いたFACS解析を行うもiso負荷の有無でアポトーシスに差を認めず、GFP^mRFP-LC3を導入した心筋細胞でiso負荷前後でオートファゴソーム数の増加した細胞が有意に増加した。Caの細胞内濃度の増加が既報にあり、Caの動態を評価する予定であったが、時間の関係上評価できなかった。 DMDのモデルマウスであるmdxマウスを用いて、iso負荷により心不全が発症するかエコーを用いて検証したところ、iso負荷mdxマウスで有意に心拡大と駆出率の低下を認めた。また、心筋組織の線維化面積がiso負荷mdxマウスで増加し、細胞死に伴う線維化の進行が心不全に関与していることが推測された。そこで、作成した心筋組織にLC3抗体で免疫染色をおこなったところ、iso負荷mdxマウスで心筋細胞内のオートファゴソームの増加が認められた。しかし、オートファジーのマーカーであるLC3-Ⅰ、LC3-Ⅱ、p62を用いて行ったウエスタンブロットでは、iso負荷mdxマウスとコントロールマウスの間で明らかな差は認めなかった。ただし、評価時期からiso負荷を正確に反映していない可能性があり、ウェスタンブロットについては、追加実験が必要である。
|