2021 Fiscal Year Research-status Report
小学生におけるLDL-コレステロールの健診スクリーニングの意義
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20K08474
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
南野 哲男 香川大学, 医学部, 教授 (30379234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 圭司 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70791052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家族性高コレステロール血症 / 小児生活習慣病予防健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia: FH)は、low density lipoprotein (LDL) 受容体関連遺伝子の変異による常染色体遺伝性疾患である。FHヘテロ接合体患者は約300人に1人の高い頻度で認められるが、生下時より著明な高LDL-C 血症により、無治療の場合は男性で50歳までに50%、女性で60歳までに30%が心筋梗塞を発症する。一方、治療により心筋梗塞発症のリスクを80%低下させることが可能であるため、10歳前後でのFH早期診断が推奨されている。 香川県では、県下全17市町において同一のプロトコルで小児生活習慣病予防健診が実施されている。本健診では、毎年、小学 4 年生(約8,000 名、実施率90%以上)を対象として、LDL-Cを含む血液検査が行われ、小児を対象とした世界最大規模の脂質ユニバーサルスクリーニングが実現している。私たちは、本健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携体制を構築した(Matsunaga K et al. J Atheroscler Thromb. 2021)。その結果、2021年11月までに、63名の小児FH患者を診断した。また、遺伝子変異を有する小児FHのいずれかの親が必ずFHであることを利用したリバースカスケードスクリーニングを実施し、98人の成人FH症例を診断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
私たちは、小児生活習慣病予防健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携体制を構築した(Matsunaga K et al. J Atheroscler Thromb. 2021)。その結果、2021年11月までに、63名の小児FH患者を診断した。また、遺伝子変異を有する小児FHのいずれかの親が必ずFHであることを利用したリバースカスケードスクリーニングを実施し、98人の成人FH症例を診断した。コロナ渦などによる受診控えが心配されたが、計画以上にFHのこどもとおとなの診断・フォローが進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
私たちは、小児生活習慣病予防健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携体制をさらに改善し、小児ならびに成人のFHの診断を加速させる。
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Causes of Carryover |
新型コロナのパンデミックのため、小児生活習慣病予防健診の結果により受診勧奨を受けた児童の受診控えが発生した。また、学会などの現地参加がほとんどなかった。これらの理由により、次年度使用額が生じた。令和4年度以降は、新型コロナが落ち着き、令和3年度、4年度に小児生活習慣病予防健診を受診した児童の紹介受診が増えることが予想されるため、滞りなく予算執行が可能となる。
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Research Products
(2 results)