2022 Fiscal Year Research-status Report
心内膜心筋生検試料のプロテオーム解析手法の確立と応用
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20K08485
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 真樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (70552024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 心内膜心筋生検 / FFPE / OCT / LC-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究に利用可能なヒト心筋生検組織は非常に稀少で、入手は非常に困難である。そこで前年度までに解析手法を確立してきたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に加えてOCT包埋組織へもプロテオーム解析手法を適用可能とすることで、解析可能な心筋生検組織の入手可能性が高くなることを期待し、本年度はOCT包埋心筋組織を用いて効率よくプロテオーム解析を行う手法の確立を試みた。まず、OCT包埋マウス心筋組織から切り出した薄切切片に対して尿素・グアニジン・PTS法などを用いた通常の前処理手法(PTS法)を適用したところ、新鮮凍結組織の場合と比較してタンパク質の抽出・還元アルキル化・消化の効率が低下することが分かった。OCTコンパウンドは親水性で容易に除去可能と推測されたが、実際にはサイズ排除や逆相カラム等の手法を用いて除去する必要があった。また、薄切切片のように極微量の試料の場合には除去後に固相カラム上でそのまま前処理を完了することで、試料のロスを減らし、新鮮凍結組織と同様のデータを取得可能なことが分かった。本年度中にヒト臨床試料への応用を計画していたが、試料の入手が困難であったため、来年度に実試料が入手可能となり次第、実試料の分析を進める予定である。 また、前年度までに開発したキャピラリーカラムを用いた前処理手法の再現性を向上するため、再現性の高いカラム作製手法の調整を行った。レーザープラーを用いたスプレーカラムの作製条件を1条件に最適化し、nanoLCシステムを用いて等圧負荷をかけてカラムの充填を行うことで、再現性良く分離用、分析用のキャピラリーカラムを作製可能な条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中にヒト臨床試料への応用を計画していたが、試料の入手が困難であったため、来年度に実試料が入手可能となり次第、実試料の分析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
分離・分析に関する前処理手法や必要なツールの作製手法については前年度までにほぼ確立することができた。したがって本年度は、解析条件が整った試料が入手可能となり次第、生検試料の分析を行う。各種心筋症をはじめとした心不全分子病態の解明、リバースリモデリングに関する新しい知見の取得、治療法の創出を目指した解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
開発した新規分析手法を用いて前年度中にヒト臨床試料の解析を行う計画としていたが、実試料の入手が困難であったため断念した。 本年度中に実試料が入手でき次第、随時解析をすすめる予定であり、そのために必要な物品費を次年度使用額として持ち越した。
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