2022 Fiscal Year Annual Research Report
Developing novel heart failure therapy targeting DEAD-box RNA helicase
Project/Area Number |
20K08488
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / RNA代謝 / RNAヘリカーゼ / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は培養心筋細胞及び遺伝子改変マウスを用いたDdx41の機能解析を行った。その結果、Ddx41は病的ストレス下におけるミトコンドリア機能障害を引き起こすことが分かった。そしてDdx41の抑制はDNA損傷、ミトコンドリア機能障害及び酸化ストレス産生を抑制することが分かった。Ddx41の機能発現には炎症関連転写調節因子との結合による同因子の機能制御を介している可能性が示唆された。また、心筋細胞特異的Ddx41過剰発現マウスを用いて、心筋梗塞におけるDdx41の機能解析を行った。その結果、Ddx41は心筋梗塞後の生存と心筋梗塞後リモデリングの増悪を引き起こすことが分かった。ヒト心臓組織の遺伝子発現解析データベースの検討から、Ddx41は虚血性心筋症患者において発現が亢進していることが分かり、上記の結果と矛盾しない所見であった。 本研究では、ゲノム・スケールの表現型スクリーニングによりその発現が心筋細胞保護作用を発揮する因子として同定したDdx41の機能解析を行った。実際、Ddx41は様々な心筋症においてその発現が増加している。解析の結果、Ddx41は炎症関連RNA及び蛋白質と結合し、その機能を修飾することが分かった。特に、炎症変容を引き起こす炎症関連転写調節因子の安定化が重要な機序の一つとして考えられた。そして、それらの機能修飾により、心筋細胞肥大、細胞外マトリックスの変性、及びミトコンドリア機能障害を引き起こすことが示唆された。実際、心筋細胞特異的Ddx41過剰発現マウスでは、圧負荷及び心筋梗塞後の生存率や心リモデリングが悪化した。 以上から、Ddx41は心不全治療における有望な治療標的となることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)